【富山・石川】北陸の桜名所図鑑 2022年に一気にめぐってきた編〜2023年の花見スポット探しに使える! 穴場スポット情報も〜

やっぱり桜好きにはたまらない北陸

「北陸の桜名所図鑑 2021年に一気にめぐってきた編」に引き続き、今年は富山県と石川県を中心に、今まで行ったことがなかった桜名所に重きを置いて、30カ所をめぐってきた。

福井市や金沢市、富山市といった街なかの桜(ソメイヨシノ)の見頃は4月上旬。だいたい東京や大阪などから1週間遅れという感じ(年によって結構違う)。北陸の場合、緯度の違いに標高の違いも加わり、桜前線が長く留まるのが特徴だ。3月下旬から5月上旬の1カ月ちょっとの間、北陸のどこかに行けばソメイヨシノの花を見ることができるのが大きな特徴だ。

北陸は自生する野生の桜の種類が多いのも特筆したい。早咲きのキンキマメザクラ、ソメイヨシノとほぼ同じくらいに咲くヤマザクラやオオヤマザクラ、エドヒガンなど、そして忘れた頃に咲くカスミザクラ、立山や白山で6月や7月に咲くタカネザクラなども。また、菊桜といわれる花びらが何百枚もある桜や固有の桜も多く、桜が好きな人にとっては話題に事欠かないエリアなのだ。

2022年にめぐった北陸の桜名所を時系列で一挙公開

2022年に回ってきた北陸の桜名所を一挙公開!
北陸の桜の見頃はいつ? おすすめのスポットは? 穴場の名所は? などなど、2023年以降の花見のご参考にもどうぞ!!

○2022/3/27 石川県林業試験場樹木公園【石川県白山市】

春遅い北陸各地からも河津桜が満開との便りが届いているころ、ここは標高が高いせいか、河津桜はまだ3〜4分咲き。花が少ない時期なのでハチがたくさん飛んでいた。ハチを撮りたかったけど、ハチにピントを合わすのは至難の業。

○2022/3/27 根上山【石川県能美市】

「根上松」がある根上山は源平古戦場跡で能美市指定文化財。山の頂上には白山遥拝所跡もある。ここには7種類約150本の桜が植えられ、早咲きの「大漁桜」が一足早く桜シーズンの到来を伝える。
大漁桜は、静岡県熱海市で誕生した園芸種で、淡い紅色の花が桜鯛を想像させ、その漁の時期とも重なることからこの名前がついたそうだ。桜餅の葉っぱに使われることで知られるオオシマザクラの系統ということで、近づくと桜餅のような香りもほのかに漂う。
ここにはメジロやヒヨドリが蜜を求めてたくさんやってきていた。

○2022/4/1 兼六園【石川県金沢市】

四季折々の美しさがある兼六でも、桜が満開の頃はやっぱり格別。日本さくら名所100選の一つで、ソメイヨシノはもちろん、桜に種類が多いことでも知られていて、石川県を代表する桜の名所。開花時期に行われる夜のライトアップも必見。訪れた時は満開にはまだ早く3分咲きくらいだった。

○2022/4/1 金沢城公園【石川県金沢市】

兼六園の向かい、石川門周辺や内堀沿いの桜並木がみごと。こちらも夜間ライタップが行われる。

○2022/4/5 朝日山公園【富山県氷見市】

約170本のソメイヨシノが咲く公園。展望台からは、桜の花越しに富山湾を一望できる。訪れた時はちょっと早すぎて1分咲き。2021年には「見晴らしの丘も」オープンしている。

○2022/4/5 富岩運河環水公園【富山県富山市】

都会的なオシャレな水辺空間に、スッと並んだ桜並木が映える。桜の下の芝生に座って見上げたり、この公園のシンボル・天門橋から見下ろしたりと、思い思いに桜を楽しむ人がたくさん。特に若い人に人気がある。訪れたには立山連峰もきれいに見えて、絶景だった。

○2022/4/5 富岩水上ライン【富山県富山市】

富岩運河環水公園を発着する富岩水上ラインの船上からは運河沿いに点在する桜の花を楽しむことができる。国指定重要文化財の中島閘門(船のエレベーター)を抜けたあたりと、運河を抜けた富山港のあたりの桜が見事なので、岩瀬行きの乗船がおすすめ。

○2022/4/5 岩瀬浜駅付近【富山県富山市】

岩瀬カナル会館前、富山地方鉄道富山港線の電車と桜のコラボが美しかった。知る人ぞ知る桜スポット。

○2022/4/5 富山駅前【富山県富山市】

北陸新幹線開業で新しくなった富山駅南口の広場には14本の桜の木が植えられている。このうち3本はワシントンDCのポトマック川河畔の「日米友好の桜」(高峰譲吉博士が関係している)を挿木で育てた「里帰り桜」だ。駅前商業施設MAROOTもオープンして人気のエリア。

○2022/4/5 松川公園【富山県富山市】

「松川ベリ」とも呼ばれる松川沿いの桜並木。夜は一部がライトアップされ、川面に映る桜が幻想的。路面電車を絡めて撮影するのも面白い。日中は桜のトンネルを進む遊覧船が名物。日本さくら名所100選。

○2022/4/5 富山城【富山県富山市】

城と石垣との対比や、堀の水面に反射する姿が美しい。夜はライトアップもされる。

○2022/4/6 稲荷公園【富山県富山市】

市の中心部からも近い広大な公園で、遊具施設が充実している。中央を流れる川沿いには桜の並木が続き、丘の上にある遊具施設に登れば、桜並木の上には立山連峰が望める。

さらに、この公園を挟むように、北陸新幹線とあいの風とやま鉄道、富山地方鉄道の3つの線路が走り、花見と一緒にいろいろな列車も見ることができる。

○2022/4/6 富山県中央植物園【富山県富山市】

日本海側初の総合植物園として平成5年に開園。90種類以上の桜を見ることができ、なかでも90本のソメイヨシノがつくる桜のトンネルは圧巻。桜並木の向こうには立山連峰のパノラマが広がる。「花のプロムナード」と名づけられたこの桜並木は、見頃にあわせて夜間ライトアップを実施。
※トップの写真も富山県中央植物園です。

○2022/4/6 神通川さくら堤【富山県富山市】

神通川の中洲を囲むように、堤に800本の桜が4.8kmにわたって植えられている「神通川さくら堤」。残雪の山々を望む風光明媚な田園地帯に、神通川右岸の「塩の千本桜」と合わせ、1000本もの桜がつくる花の回廊は圧巻。

○2022/4/6 塩の千本桜【富山県富山市】

神通川の右岸・塩の堤防に200本の桜が約1kmにわたって植えられている「塩の千本桜」。「神通川さくら堤」の800本の桜と合わせ、1000本の桜が続く。

○2022/4/6 高岡古城公園【富山県高岡市】

日本さくら名所100選にも選ばれた北陸を代表する桜の名所。園内には18種約1,800本の桜があり、中にはこの地方特有の品種の「コシノヒガンザクラ(越の彼岸桜)」もある。高岡城築城の翌年に、高岡城の馬場に砺波の山から移植されたとされ、さらに最近の研究では一般的なコシノヒガンザクラとは別の品種であることが分かり、「タカオカコシノヒガン」と命名された。小竹藪広場や本丸広場の桜が人気だが、本丸広場から外に出た池の端濠沿いの眺めも見事。

○2022/4/6 岸渡川桜並木【富山県高岡市】

岸渡川の両岸約1kmに約1000本のソメイヨシノが植えられ、見事な桜のトンネルを作る。夜間はライトアップも行う。

○2022/4/8 桜づつみ【石川県川北町】

手取川にかかる辰口橋のたもと、堤防上に約950メートル、ソメイヨシノ206本と枝垂れ桜3本の桜並木がある。堤防上の道は車で走ることができる。よく晴れた日は桜の木越しに白山連峰を望むこともできる。開花期間中はライトアップも。

○2022/4/8 木場潟公園【石川県小松市】

木場潟周りにある1周6.4kmの周遊園路には、約1700本の桜並木が続く。桜の花に時期には、木場潟の水面と桜、白山が織りなす絶景に出合える。

○2022/4/8 芦城公園【石川県小松市】

芦城公園は、第3代加賀藩主・前田利常の隠居城であった小松城の三の丸跡に作られ、池泉回遊式庭園となっている。
園内には約130本のソメイヨシノが植樹され、開花時期は花見客で大いに賑わう。夜はぼんぼりが点灯し、宴会もOKだが、2022年は中止だった。

○2022/4/9 浅野川大橋周辺【石川県金沢市】

女川の別名がある浅野川にかかる浅野川大橋(国登録有形文化財)から、上流の梅ノ橋の間には、両岸に桜並木が続く。夜は投光器によるライトアップはされないが、ぼんぼりに照らされた桜が妖艶で美しい。梅ノ橋のたもとでは菜の花と桜のコラボも楽しめる。

○2022/4/9 主計町茶屋街【石川県金沢市】

浅野川にかかる浅野川大橋(国登録有形文化財)と下流の中の橋の間、左岸にある主計町茶屋街の河畔には桜並木が続く。夜、投光器によるライトアップはされないが、ぼんぼりとガス燈に照らされ、茶屋街らしい妖艶で美しい夜桜を見ることができる。2022年に浅野川大橋寄りの桜の木が1本、根が腐って倒木の恐れがあることから伐採されてしまい、少し寂しくなってしまった。

○2022/4/11 母恋千本桜【石川県内灘町など】

「花見がしたい」という、金沢医大に入院していた余命いくばくもない母の願いを叶えたいと願い、その思いがたくさんの人の心を動かして、内灘町、金沢市、津幡町にまたがる1500本、4.5kmの桜並木ができあがった。

○2022/4/11 小丸山城址公園【石川県七尾市】

加賀藩祖の前田利家により築かれた小丸山城。江戸時代初期、一国一城令に従い廃城となった。その後、大正時代に公園として整備される。小高い丘にあり、七尾湾や七尾の町を一望できる。ソメイヨシノをはじめ、八重桜やしだれ桜など、約250本の桜があり、春は桜の名所として賑わう。

○2022/4/11 のと鉄道笠師保駅【石川県七尾市】

能登半島を走る第三セクター鉄道ののと鉄道といえば、能登鹿島駅の桜が有名だが、実は他の駅にも桜の木が植えられていて、列車に乗りながら花見が楽しめる。笠師保駅もそんなひとつ。他にも田鶴浜駅や能登中島駅、西岸駅などが見事だ。
ちなみに、笠師保駅には「恋火駅」という愛称があり、これは「塩津かがり火祭り」というキリコ祭りが由来。「海側の神」と「山側の神」が海の上で逢瀬を遂げるというロマンチックなストーリーの祭りだ。

○2022/4/11 のと鉄道能登鹿島駅【石川県穴水町】

能登半島のさくらの名所としても人気があるのと鉄道能登鹿島駅。「能登さくら駅」の愛称もある。NHKのドキュメンタリー番組で紹介されて、ますます人気となって、平日でも大賑わい。ホームに沿って約100本の桜が植えられ、その6・7割が樹齢90年を超え、一説では60歳が寿命ともいわれるソメイヨシノにしてはかなりの老樹。ただ、駅周辺の住民が会員の「能登鹿島駅さくら保存会」の手厚い保護により、いずれの木も元気そのもの。特に海側の上りホームの桜は枝ぶりがよく、枝越しに広がる七尾湾には感動する。駅の裏の斜面には枝垂れ桜も植えられ、その上の高台には展望台もでき、ここは桜のテーマパーク様相。老いも若きも、のどかな花見を楽しめる希少なスポット。夜はライトアップも行う。
※2023年3月10日発売の『旅の手帖』4月号では、能登鹿島駅を中心としたのと鉄道の旅を4ページで紹介しました。

○2022/4/11 のと鉄道西岸駅付近【石川県穴水町】

のと鉄道能登鹿島駅の隣が西岸駅。テレビアニメ『花咲くいろは』に登場する「湯乃鷺駅」のモデルとなった駅で、駅の東側には海が、西側には緩やかな棚田が広がっている。駅周辺には桜並木もあり、能登鹿島駅ほどではないが、ここも桜と鉄道、そして菜の花が一緒に撮れるスポットとして密かに人気。

○2022/4/12 松月寺のサクラ【石川県金沢市】

重要伝統的建造物群保存地区にも選定された金沢市寺町の松月寺にあり、境内から寺町通りに覆いかぶさるように枝を広げた見事なショウゲツジザクラ。あまり知られていないが、北陸では唯一、国の天然記念物に指定されている大変貴重な桜で、推定樹齢は400年。大桜、御殿桜とも呼ばれる。ヤマザクラの系統とみられ、見ごろはソメイヨシノよりほんの少しだけ遅い感じ。

○2022/4/12 高尾城址見晴らし台【石川県金沢市】

石川県教員総合研修センター近くにある高尾城址。丘一面に桜が植えられて、その様子は麓からもよく見える。駐車場から300段ほどの階段を登れば、「高尾城址見晴らし台」に到着。桜越しに金沢市街や日本海まで一望できる大パノラマは壮観だ。夜景スポットとしても知られているが、夜、ここまで登ってくるのはなかなか大変そうだ。
今年は見頃を過ぎてしまっていたので、来シーズン以降に再訪したいっていうか、通っちゃいそう。

○2022/6/17 立山黒部アルペンルート・黒部平【富山県】

北陸の桜を撮り歩いている私にとって、ずっと念願だったタカネザクラを、今年ようやく撮影することができた。この桜、中部山岳国立公園の標高の高いところでは7月でも花が見られ、実は桜前線を締めくくる桜とも言われることもある。写真は標高1,828メートルの黒部平付近で撮影。立山連峰と後立山連峰が聳えるスゴイ山の中だが、ロープウェイの駅から歩いて数分で辿り着ける。

筆者が書いた「北陸の桜」の記事は他にもあります。

【富山・石川・福井】北陸の桜名所図鑑・完結編! ベスト10+おすすめ48選 地元の桜ツウが教える北陸の桜名所・全58カ所!

【富山・石川・福井】北陸の桜名所図鑑 2021年に一気にめぐってきた編

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
*取材・編集のご依頼はこちら
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【富山・石川・福井】北陸の桜名所図鑑 ベスト10+おすすめ48選

筆者が今まで撮りためてきた北陸三県(富山・石川・福井)の桜名所の写真を一堂に集めました(全58カ所)。

北陸の桜名所ってどこ? 例年の見頃はいつ? そもそも北陸の桜ってどんな感じ? などなど、北陸の桜について写真中心に紹介。2022年の花見の参考にしていただけたら嬉しいです(今後追加や更新もしていく予定/最終更新日:2022年3月8日)。

※見頃は年によって1週間ほど前後します。最近は早まることが多く、最新情報をご確認ください。

見逃せない北陸の桜名所ベスト10

 北陸の多くの桜名所を訪ね歩いた筆者が独断と偏見でベスト10を挙げるとしたら、次の10カ所かなと思います(順不同)。

松川公園(富山県富山市)/4月上旬

富山市の中心部を流れる松川沿いには、松川公園をはじめ、磯部堤、城址公園といった桜の名所が続く。松川公園と磯部堤には、約500本のソメイヨシノの並木があり、延べでその距離は約4kmにもなる。圧巻は空を埋め尽くすように枝を伸ばして咲く、松川遊覧船から桜のトンネルの眺め。夜はライトアップされ、水面に桜が映り、幻想的なムード。日本さくら名所100選

あさひ舟川「春の四重奏」(富山県朝日町)/4月上旬

舟川の両岸に植えられた約280本のソメイヨシノと、チューリップ、菜の花、そして残雪の北アルプスという、春の風物が4つ揃った風景が楽しめることで人気。チューリップは球根栽培の畑で、かつては30軒ほどのチューリップ農家がいたが、今は1軒のみ。菜の花は菜種油の採取用。桜、チューリップ、菜の花と3つの花がタイミングよく揃ってくれなかったり、曇って山が見えなかったりと、4つが揃って見えるのはなかなか難しいが、2〜3つ揃うだけでも十分に春爛漫のムードが楽しめる

高岡古城公園(富山県高岡市)/4月上旬

「さくら名所100選」にも選ばれた北陸を代表する桜の名所。園内には18種約1,800本の桜があり、中にはこの地方特有の品種の「コシノヒガンザクラ(越の彼岸桜)」がある。高岡城築城の翌年に、高岡城の馬場に砺波の山から移植されたといわれて、最近の研究では一般的なコシノヒガンザクラとは別の品種であることが分かり、「タカオカコシノヒガン」と命名された。国内にある野生種の桜の半分以上が存在する北陸は、実は「未知の桜」の宝庫でもあり、新しい品種の桜がしばしば発見され、大きなニュースになる

小矢部川河川公園(富山県南砺市)/4月中旬

小矢部川の河川敷のふくみつ千本桜のライトアップを初めて見たのは、もう10年以上前。そのライトアップの方法に衝撃を受けた。ライトアップといえば、投光器やLEDライトを散りばめたものが主流だが、ここでは昭和の工事現場で見かけた、網のカバーがついた裸電球を桜の枝に渡してある。一見無造作だが、対岸から見ると、枝にたわわに実った裸電球がメルヘンチックでもあり、とってもいい雰囲気。ただ、数年前に訪れたら、一部がLEDに置き換わっていましたので、電球のライトアップは今も続いているかどうか・・・

兼六園(石川県金沢市)/4月上旬

四季折々の美しさがある兼六園だが、桜が満開の頃はやっぱり格別。ソメイヨシノはもちろん、桜に種類が多いことでも知られる。開花時期に行うライトアップも必見。日本さくら名所100選

石川県農林総合研究センター林業試験場樹木公園(石川県白山市)/4月中旬

石川県民にはよく知られた県内屈指のお花見スポット。北陸でおそらく一番たくさんの種類の桜が見られる公園で、その種類は150とも言われる。お花見ができる期間も非常に長く、3月中旬には早咲きのキンキマメザクラなどが咲き始め、4月に入るとソメイヨシノとヤマザクラが咲き乱れ、4月下旬にはピンポン球のような花のケンロクエンキクザクラや、薄緑の花が咲くギョイコウなど、珍しい桜に合える

能登鹿島駅(石川県穴水町)/4月中旬

昭和7年(1932)、国鉄・七尾線が能登中島駅から穴水駅まで開業した記念に、地元住民が桜を植樹したのが始まり。現在は駅周辺の住民によって世話されている。桜の木はソメイヨシノで100本ほどあるうち、6〜7割は開業当時に植樹されたもの。ソメイヨシノにしてはかなりの老樹であるが、いずれも状態は良好。また、土壌の関係か、海側の上りホームに沿って植えられた桜の方が樹勢が強い。
駅からは海や天気が良ければ立山連峰も望むことができ、春は大勢の花見客で賑わう。駐車場もあるが、土日は大渋滞となることも多く、鉄道で訪れることがおすすめだ。

足羽川 桜並木(福井県福井市)/4月上旬

約600本、全長約2.2kmの日本最大級の規模といわれるのが足羽川堤防の足羽川桜並木。言わずと知れた福井県で最もポピュラーなお花見スポットである。この堤防からもよく見える足羽山公園とあわせ、日本さくら名所100選にも選ばれている。見ごろにあわせて夜間ライトアップが実施され、とても幻想的だ

霞ヶ城公園(福井県坂井市)/4月上旬

小高い丘に建つ丸岡城は別名・霞ヶ城と呼ばれる。天守(国指定重要文化財)は、江戸時代以前に建てられた日本に12しか残っていない「現存天守」の1つ。天守の規模はあまり大きくないが、威風堂々とした佇まいは、訪れた人を魅了してやまない。この丘一帯は、霞ヶ城公園と呼ばれ、約400本のソメイヨシノが植えられている。夜はライトアップされて、天守を包むかのように咲き乱れる姿は圧巻。例年、ふもとには露店が並び、花見客で賑わう。日本さくら名所100選にも選定され、例年の見頃は4月上旬〜中旬

金崎宮(福井県敦賀市)/4月上旬

金崎宮では、桜の咲く時期に、願いを込めた桜の小枝を交換する神事「花換まつり」が行われる。もともと金崎宮へ桜見物に訪れた男女が「花換えましょう」と声をかけあい、桜の小枝を交換することで思いを伝えたのが始まりといわれる。敦賀市民になじみが深く、たくさんの参詣客が訪れる

 規模だけでなく、プラスアルファや個性的なものをチョイスしました。ただ、甲乙つけ難いところもたくさんあるし、実は評判は聞くものの、まだ実際に行ったことがない場所も入れていませんので、今後改訂していくかもしれません。

全て撮り下ろし! 北陸の桜名所おすすめ48選

 今まで回ってきた北陸の桜名所と名桜を一挙公開します! 2022年の花見のご参考になれば幸いです。

【福井県】

神子の山桜(三方上中郡若狭町)/3月下旬

若狭湾の常神半島にあり、もともとは土地の境の目印に植えられた山桜が自然に広がって、斜面を彩るようになったもの。針葉樹の濃い緑と芽吹き始めた木々の浅黄色と混ざり合ってパッチワークのような風景がとても印象的

味真野小学校 校庭の桜(越前市)/4月上旬

校庭の桜と聞くと、校庭の隅っこに植えられた桜をイメージされると思うが、ここの桜はそんな概念を根底から気持ちいいくらいに覆してくれる。なんと、桜の木が校庭のど真ん中に植えられていて、この学校の児童は、桜の下で遊んだり、運動したりしている。桜の木は推定樹齢140年以上と言われるエドヒガン。エドヒガンは樹齢1,000年を超えるものもあるくらいなので、立派に見えてもまだ若木なのだとか。この桜はこれから先も何百年と子どもたちの成長を見守ってくれることだろう

花筐公園(越前市)/4月上旬

世阿弥の謡曲「花筐」の舞台として知られる花筐公園(かきょうこうえん)。ここでは約1,000本の桜が咲き誇る。茅葺きの古民家と桜、桜の花越しに眺める町のいらかの波、桜の木の下に広がるカタクリの花など、里山で長閑なお花見気分が味わえる。公園内には福井県天然記念物の淡墨桜がある

吉野瀬川(越前市)/4月上旬

川の両岸から迫る桜のトンネル

陶の谷駅跡(丹生郡越前町)/4月上旬

かつてここを走っていた福井鉄道鯖浦線の駅の跡。レールの一部とプラットフォーム、駅名標に往時の面影が漂う。長閑な田園風景を背景に枝ぶりの良い桜が花開く。すぐ近くの法華寺の枝垂れ桜とあわせて訪ねたい

法華寺 しだれ桜(丹生郡越前町)/4月上旬

樹齢約100年の立派な枝垂れ桜

福井城(福井県福井市)/4月上旬

笏谷石の石垣に淡いピンクの桜が映える

勝山弁天桜(福井県勝山市)/4月中旬

一目千本とも呼ばれる奥越の桜名所。九頭竜川の右岸には約1.5km、450本のソメイヨシノが続く。川に掛けられたたくさんの鯉のぼりや、残雪の山々との共演はとても絵になる。
この桜は「桜の名所にしよう」と、昭和初期に地域の世話役をしていた人が、私財を投じて桜の苗木を購入したり、自分の畑で苗木を育てたりして、現在のベースを作り、今は地元住民たちによって大切に守られている。
福井市の足羽川桜並木より数日遅れて見頃を迎える。

亀山公園(大野市)/4月中旬

天空の城としても有名な大野城がある山頂付近からは眺めがいい

九頭龍湖(福井県大野市)/4月下旬

大野市の山間部にある九頭竜湖。紅葉の名所として有名だが、その湖畔にはたくさんのソメイヨシノやヤマザクラ、ヤエザクラなどが植栽され、湖を背景に咲く花は楚々として美しく、桜の名所としても知られる。その1番の特徴はなんといっても、見ごろの時期。平地ではとっくに花が散って、「今年の桜シーズンも終わったな」なんて思っている頃に開花の便りが届く。例年の見頃は4月下旬〜5月上旬という遅さ。「花見気分をもう少し味わいたい!」と思っている人には、この上ない場所だ

竹田の里 しだれ桜(坂井市)/4月下旬

坂井市の山間部にある竹田の里。あたり一帯には700本ものしだれ桜があり、なかでも「たけくらべ広場」は、100本ほどのしだれ桜が咲き競い、まるで桃源郷のよう。普段は静かな山里だが、桜の時期は多くの花見客で賑わう。見ごろに合わせて「竹田の里しだれ桜まつり」が開催され、なかでもその期間中に行われるライトアップはおすすめ。暗闇に浮かび上がる桜の花の帯は、妖艶なムードが漂い、思わず息をのむ美しさ

女形谷のサクラ(坂井市)/4月上旬

福井県指定天然記念物で、樹齢400年ともいわれる

あらた坂《山室の桜並木》(あわら市)/4月上旬

『ちはやふる』に登場する桜並木のモデルといわれる

※福井県で未訪問の主な桜名所/味真野苑(越前市)、西山公園(鯖江市)、足羽山(福井市)など、鋭意追加予定!

【石川県】

う川古代桜(小松市)/4月上旬

旧白山電気鉄道遊泉寺駅に植えられたと思われる桜。菜の花とのコントラストが美しい

木場潟(小松市)/4月上旬

晴れた日は白山を望む(桜の写真は準備中)

健康ロード(能美市)/4月上旬

旧北陸鉄道能美線の廃線跡で「健康ロード」と名付けられた自転車優先道路には、約10km、約2,000本ものソメイヨシノの並木が続く。延々と続く桜ロードをサイクリングするのは爽快で、特に散り際の花吹雪の中を走るのは最高だ

手取峡谷(白山市)/4月中旬

切り立った断崖絶壁が続く手取峡谷。冬枯れた景色の中、桜の花が春を告げる(黄門橋より上流を望む)

金沢城公園(金沢市)/4月上旬

金沢城公園の桜といえば、ライトアップされるとお堀の水面に桜が映ってとっても幻想的な内堀の桜並木が人気。
また、国の重要文化財の石川門とのツーショットも定番。石川門を見上げる芝生広場は例年は花見客で一杯になるが、2020年には新型コロナの影響でガランとしていた。そのほか、兼六園の桜が一望できる丑寅櫓跡もおすすめ

浅野川(金沢市)/4月上旬

金沢には、浅野川と犀川という2つの大きな川が流れており、浅野川を女川、犀川を男川とも呼ぶ。
そこはかとなくはんなりとした雰囲気が感じられる浅野川は、浅野川大橋の上流と下流に桜の並木が続く。
主計町では、陽が落ちるとガス灯のあかりに桜の花が照らし出されて、いっそう幻想的なムード(写真)

犀川(金沢市)/4月上旬

男川の別名がある犀川。犀川大橋から上流の桜橋にかけては金沢出身の文豪・室生犀星が愛した散歩道で「犀星のみち」と呼ばれており、または両岸に見事な桜並木が続く。桜橋のすぐ近くにある桜坂の途中からは、犀川河畔の桜並木を見下ろすことができる。観光客の多い浅野川とは対照的に、犀川の方は近所の人たちが桜を眺めながら
ジョギングや散歩するなど、市民の憩いの場という色合いが濃い

奥卯辰山健民公園(金沢市)/4月上旬

卯辰山の南東にある奥卯辰山健民公園は、ゴルフ場の跡地を整備したもの。広大な芝生広場やデイキャンプ場、木の香りがする交流館、大型複合遊具があるわんぱく広場、ベルギー庭園などがある。有料でバーベキューやパークゴルフも楽しめ、アウトドアを楽しむ市民でいつも賑わう。園内の一角には里山保全園地があり、棚田やとんぼ池など、里山環境の保全とともに、自然体験や学習の場としても活用されている。「さくら広場」は、若木が多いようで、桜の木は全体的に小ぶりだが、一面に広がる桜は壮観。伸びやかな丘に並ぶ桜並木は、とても絵になる。広いので密になりにくく、のんびりお花見が楽しめる

卯辰山四百年の森(金沢市)/4月上旬

約250本の桜が植栽され、一面が桜色に染まる

大乗寺丘陵公園(金沢市)/4月上旬

金沢平野や日本海を一望できる眺めの良い公園

末浄水場(金沢市)/4月中旬

国指定名勝の園地や登録有形文化財があり、桜の開花に合わせて公開も

松月寺のサクラ(金沢市)/4月中旬

北陸で唯一、国の天然記念物に指定されている桜

倶利伽羅公園(河北郡津幡町)/4月下旬

富山県と石川県の県境をまたぎ、約6,000本の八重桜が植えられている

やわらぎの郷(羽咋郡宝達志水町)/4月上旬

能登有数の桜名所。聖徳太子をまつる太子殿を中心に、山門や鐘楼などがある

浄蓮寺の枝垂桜(羽咋郡宝達志水町)/4月上旬

町指定天然記念物。樹齢130年と推定される

手弱女桜(輪島市)/4月中旬

京都から伝わったといわれる手弱女(たおやめ)桜

阿岸本誓寺のアギシコギクザクラ(輪島市)/5月上旬

県指定天然記念物で約130枚の花弁をつける菊咲の桜

来迎寺のライコウジキクザクラ(鳳珠郡穴水町)/5月上旬

来迎寺は、創建814年という真言宗の古刹で、県の名勝に指定された庭園がある。ライコウジキクザクラは、平家物語にも登場する武将・長谷部信連(はせべのぶつら)ゆかりの菊桜で、石川県の天然記念物指定されている。菊桜は花びらが何百枚もある花が特徴で、この桜は多いものでは300枚以上の花びらがある。菊桜とは、全国的にはあまり馴染みがないかもしれないが、石川県や富山県には比較的多く、能登半島には県の天然記念物に指定された菊桜が5種類ほどある。たわわに実った果実のように、まん丸くてモフモフした花はとても愛らしく、印象的

天狗平の御所桜(鳳珠郡能登町)/4月中旬

樹齢500年と推定されるエドヒガンの巨樹(能登町指定天然記念物)

谷崎の桜(珠洲市)/3月下旬

兼六園のソメイヨシノがまだ蕾の頃、能登半島の先端近く、珠洲市で満開を迎えるのが「谷崎の桜」。海沿いの国道脇に生え、枝ぶりも見事。能登のシンボル・見附島を望む高台にあり、海を背景にたくさんの花をつける姿はとても絵になる。例年、3月中旬に咲きはじめ、下旬に見頃を迎える。品種はオオシマザクラとカンヒザクラがかけ合わされたものだとか。開花するとSNSにたくさんの画像がアップされ、地元ではこの時期、アイドル以上の人気ぶり

※石川県で未訪問の主な桜名所/熊坂川河畔(加賀市)、大堰宮公園(加賀市)、加賀市中央公園(加賀市)、芦城公園(小松市)、桜づつみ(川北町)、喜多家しだれ桜(かほく市)、志乎・桜の里 古墳公園(宝達志水町)、小丸山城址公園(七尾市)、一本松公園(輪島市)、石川県輪島漆芸美術館の荘川七郎(輪島市)など、鋭意追加予定!

【富山県】

向野のエドヒガン(南砺市)/4月中旬

南砺市城端にあるこの桜は、山間部の田んぼの脇を流れる川の斜面から、スッと伸びた1本のエドヒガンの木。
かなりの大樹で、推定樹齢は100年以上だというが、エドヒガンではまだ若い方。開花に合わせ、夜はライトアップもされ、その写真を撮りに全国から写真愛好家が訪れるほど。日没直後はそんなカメラマンで賑やかですが、1時間も経つとほとんど人はいなくなる。ゆっくり桜を眺めるなら、その頃がおすすめ

桜ヶ池(南砺市)/4月中旬

池の周囲に桜が点在する

城端別院善徳寺の枝垂れ桜(南砺市)/4月中旬

樹齢約350年の枝垂れ桜

干谷の宮桜(南砺市)/4月中旬

杉林の中に一本だけ取り残されたエドヒガン

大門川沿い(南砺市)/4月中旬

11種類の桜が植えられている

五箇山相倉合掌造集落(南砺市)/4月中旬

世界遺産集落の春景色

五箇山菅沼合掌造集落(南砺市)/4月中旬

菅沼集落の花吹雪。合掌造り集落で、大きな茅葺き屋根を背景に咲く、桜の花はともても印象深く、日本の里山の春を象徴するようなシーンに出合える。かつて名古屋と金沢を桜で繋ごうと桜の苗木を植え続けた、
「さくら道」で知られる国鉄バスの車掌さんが植えた桜の木も、集落内で元気に育っている

砺波嵐山(砺波市)/4月中旬

砺波市庄川町の庄川右岸にある三条山は、京都嵐山の景色に似ていることから「砺波嵐山」と呼ばれる。この山には数多くのエドヒガンが自生しており、春には山の斜面に点々と咲く様子が見られる。対岸から見ると桜色の水玉模様のようでもあり、派手さはないが、一度見たら忘れられない愛らしい風景。野生のエドヒガンがこのようにたくさん咲いている光景は、とても珍しく、わざわざ見に行く価値あり。このすぐ近くの庄川水記念公園では、桜まつり期間中、ライトアップも実施

県民公園頼成の森(砺波市)/4月中旬

里山の自然に触れ合える公園。苔と桜のコントラストが雅

山城(富山市)/4月上旬

お堀に映る桜が美しい

富岩運河環水公園(富山市)/4月上旬

富山市のウォーターフロントパーク・富岩運河環水公園はロマンチックな夜のライトアップが人気。桜が咲くとさらに魅力が増し、ライトアップされた桜が運河の水面にも映って幻想的だ。「世界一美しい」に選ばれたこともあるスターバックスコーヒーのテラスは、夜桜を眺める特等席

魚津桃山運動公園(魚津市)/4月上旬

公園からは日本海を望む

百年桜(黒部市)/4月中旬

樹齢60年ともいわれるソメイヨシノで100年を超えるのは珍しい

入善乙女キクザクラ(下新川郡入善町)/4月中旬

杉沢の沢杉内にある

黒部川堤防桜堤(下新川郡入善町)/4月中旬

黒部川堤防桜堤は、約170本の桜が黒部川の堤防に植えられ、その距離は1.2kmにも及ぶ。残雪の後立山連峰を背景に、延々と続く桜並木は実に見事。桜並木と水路に沿った散策路を歩いたり、堤防の上の道をドライブしたりしながらも花が楽しめる

※富山県で未訪問の主な桜名所/朝日山公園(氷見市)、駒つなぎ桜(氷見市)、二上山公園(高岡市)、岸渡川堤(高岡市)、庄川水記念公園(砺波市)、富山県中央植物園(富山市)、常西用水プロムナード(富山市)、神通川さくら堤・塩の千本桜(富山市)、立山黒部アルペンルートのタカネザクラ(中新川郡立山町)、剱折戸菊桜(中新川郡上市町)、松倉城跡(魚津市)、あさひ城山公園(下新川郡朝日町)など、鋭意追加予定!

筆者が書いた「北陸の桜」の記事は他にもあります。

【富山・石川】北陸の桜名所図鑑 2022年に一気にめぐってきた編〜2023年の花見スポット探しに使える! 穴場スポット情報も〜

【富山・石川・福井】北陸の桜名所図鑑 2021年に一気にめぐってきた編

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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【富山・石川・福井】北陸の桜名所図鑑 2021年に一気にめぐってきた編

桜好きにはたまらないのが北陸

 北陸は緯度の違いよりも標高差の違いから、桜前線が長く留まるのが特徴。

 福井市や金沢市、富山市といった街なかの桜(ソメイヨシノ)の見頃は4月上旬。だいたい東京や大阪などから1週間遅れという感じですが、これは年によって結構違います。そもそも今年は開花が非常に早くて、さくら名所100選に選ばれているような人気お花見スポットは3月中に満開となっていましたので、びっくり。

 北陸では自生する野生の桜の種類が多いのも特徴。早咲きのキンキマメザクラ、ソメイヨシノとほぼ同じくらいに咲くヤマザクラやオオヤマザクラ、エドヒガンなど、そして忘れた頃に咲くカスミザクラ、立山や白山で6月や7月に咲くタカネザクラなど。 また、菊桜といわれる花びらが何百枚もある桜もいろいろ種類があり、さらに、固有の桜も多くあって、しかも新たに発見されるものも多く、桜好きには話題に事欠かないエリアでもあります。

北陸でのお花見の特徴

 新型コロナウイルス感染症の影響で、全国的に花見宴会は自粛となりました。しかし、北陸地方では、花見をしながらの大宴会というのはもともとそれほどポピュラーではなく、東京・上野公園みたいに宴会の場所取りに奔走するようなことは一部を除いてほとんどありません。桜が咲く公園や河川敷をぶらぶら散歩して、歩き疲れたらベンチなどに腰掛けて桜の花を楽しむ、そんなお花見スタイルが多いように思えます。芝生の広場があるような場所では、ピクニック気分でお花見を楽しむ少人数のグループもよく見かけますが、夜はまだ寒いからか、レジャーシートを敷いて宴会をしているようなグループは東京などに比べると圧倒的に少ないような気がします。

2021年にめぐった北陸の桜名所を時系列で一挙公開

 今年回ってきた北陸の桜名所を一挙公開! 北陸の桜の見頃はいつ? おすすめのスポットは?などなど、2022年以降の花見のご参考になれば幸いです。

○2021/3/29 富山城【富山県富山市】
 春は桜が見事。堀の水面に反射する花も美しい(この日は風が強くて反射せず)。
 https://www.toyamashi-kankoukyoukai.jp/?tid=100434

○2021/3/29 松川公園【富山県富山市】
 約450本のソメイヨシノが植えられ、遊覧船から眺めることもできる。日本さくら名所100選。
 https://www.info-toyama.com/spot/11035/

○2021/3/31 味真野小学校 校庭の桜【福井県越前市】
 校庭のど真ん中にエドヒガンの大樹が1本。樹齢140年以上という堂々たる木ですが、エドヒガンとしてはまだまだ若木なのだとか。
 http://school.city.echizen.lg.jp/ajimano/index.cfm/1,html

○2021/3/31 花筐公園【福井県越前市】
 世阿弥の謡曲「花筐」の舞台として知られるここでは約1000本の桜が咲き誇る。桜の花越しに眺めるいらかの波が印象的。
 http://welcome-echizenshi.jp/tourism_detail/kakyoukouen/

○2021/3/31 吉野瀬川【福井県越前市】
 吉野瀬川の両岸から枝を伸ばす見事な桜並木。桜の木の密集度がすごい。
 http://welcome-echizenshi.jp/tourism_detail/sakura-city/

○2021/3/31 陶の谷駅跡【福井県丹生郡越前町】
 かつてここを走っていた福井鉄道鯖浦線の駅跡。レールの一部とプラットフォーム、駅名標が残り、長閑な田園風景を背景に枝ぶりの良い桜が花ひらく。
 https://www.town-echizen.jp/spot/spot01Detail.php?id=497

○2021/3/31 法華寺 しだれ桜【福井県丹生郡越前町】
 樹齢約100年の立派な枝垂れ桜がある。
 https://www.town-echizen.jp/spot/spot01Detail.php?id=457

○2021/3/31 足羽川 桜並木【福井県福井市】
 約2.2kmという桜並木が続く。桜のトンネルの中をゆっくり歩き、疲れたら河川敷で一休み。日本さくら名所百選の一つで、北陸を代表する花見スポット。
 https://www.fukuicity-navi.com/sakura/?story=lightup-07

○2021/4/1 大乗寺丘陵公園【石川県金沢市】
 金沢平野を一望できる公園。初夏のツツジが有名だが、桜も見事。高峰譲吉博士ゆかりのワシントンから里帰りした桜も植えられている。
 https://www4.city.kanazawa.lg.jp/29004/park/park/daijyouji.html

○2021/4/1 兼六園【石川県金沢市】
 日本さくら名所百選の一つに選ばれた北陸を代表する桜の名所。開花時期に合わせて夜間はライトアップも行われる。http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/

○2021/4/1 金沢城公園【石川県金沢市】
 兼六園の向かい、石川門周辺の桜はもちろん、内堀沿いの桜並木がみごと。こちらも夜間ライタップが行われる。http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/

○2021/4/2 犀川【石川県金沢市】
 金沢市内を流れる犀川の両堤には桜並木が続く。観光客は少なく、市民がのんびり花見を楽しんでいる。
 https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10118.html

○2021/4/6 あさひ舟川「春の四重奏」【富山県下新川郡朝日町】
 約280本のソメイヨシノとチューリップ、菜の花、そして残雪の北アルプス・朝日岳が織りなす春の絶景(トップの写真)。
 https://www.asahi-tabi.com/sijuusou/

○2021/4/6 高岡古城公園【富山県高岡市】
 日本さくら名所100選。園内随所で桜が見られ、特に濠沿いは見事。富山固有のコシノヒガンザクラも。訪れた時は見頃を少し過ぎていた。
 http://www.kojyo.sakura.ne.jp/index.shtml

○2021/4/16 石川県農林総合研究センター林業試験場樹木公園【石川県白山市】
 約130品種、約900本の桜があり、北陸随一の規模。種類が多いので長い期間、桜の花見が楽しめる。珍しい品種も多い。
 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/ringyo/about/park.html

○2021/4/20 倶利伽羅公園【石川県河北郡津幡町】
 「昭和の花咲かじいさん」が、20数年間に渡って植えたものをはじめ、約6,000本の八重桜が咲き誇る。
 https://www.hot-ishikawa.jp/event/21192

○2021/4/27 兼六園【石川県金沢市】
 花弁が300枚以上もあるケンロクエンキクザクラ。天然記念物だった初代は枯れてしまい、現在は2代目。例年だとGWに見頃を迎える。
 http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/

○2021/5/4 来迎寺【石川県鳳珠郡穴水町】
 花弁が200〜300枚重なる県の天然記念物に指定された桜。花が開くにしたがって、色が変わっていく。
 http://noto-raikouji.net

筆者が書いた「北陸の桜」や「金沢の四季の花」の記事はこちらでもお読みになれます

筆者が書いた「北陸の桜」の記事は他にもあります。

【富山・石川】北陸の桜名所図鑑 2022年に一気にめぐってきた編〜2023年の花見スポット探しに使える! 穴場スポット情報も〜

【富山・石川・福井】北陸の桜名所図鑑・完結編! ベスト10+おすすめ48選
地元の桜ツウが教える北陸の桜名所・全58カ所!

●金沢市観光公式サイト「金沢旅物語」
金沢には花の名所がたくさん!春夏秋冬、見逃せないお花スポット徹底ガイド

写真と文若井 憲 Ken Wakai
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【column】実は路面電車ってSDGsをわかりやすくさせてくれる存在だった!

「SDGs」(持続可能な開発目標)はもうご存知かと思うが、17の目標と169のターゲットがある。一方、これもご存知かと思うが、「路面電車」とは、主に道路上に敷設された軌道(併用軌道という)を走る電車のことだ。今回、路面電車の魅力をSDGsの側面から掘り下げてみようと思う。公共交通機関として、SDGsの目標達成に貢献できることは多いが、実はそれ以外にもいろいろな側面があることを紹介したいと思う。

路面電車をとりまく現状

 かつては全国の主要都市で網の目のように走っていたが、モータリゼーションの影響で、多くが廃止に追い込まれた。私の生まれ故郷である川崎や、現在暮らしている金沢にもかつては路面電車が走っていた。私にとって、郷愁を誘う存在であるとともに、今も路面電車を走らせているまちにはある種のリスペクトのような感情を抱く。

 北陸では福井県や富山県に3つ、全国には北は札幌から南は鹿児島まで18の事業所が今も路面電車を走らせている。近年では次世代型路面電車(ライトレール)の登場で、都市交通としての良さが改めて見直され、コンパクトシティ構想にライトレールを組み込む富山市などは、その最先端事例として、SDGsと公共交通機関との関係を語る上で欠かせない存在になっている。さらに、宇都宮のように新たに路面電車を誕生させようという動きも出始めてきた。

万葉線・ドラえもんトラム(富山県高岡市)

強かに生き続ける路面電車

 路面電車の利用を促進することはSDG7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や、SDG11「住み続けられるまちづくりを」、SDG13「気候変動に具体的な対策を」に直結することは明白だろう。そのことを詳しく紹介している文献はたくさんあるので、その辺りはそちらに譲ることとして、ここではSDGsにも貢献できる全国の興味深い路面電車事情を紹介したい。

 例えば、九州の鹿児島市電は、軌道の芝生緑地化を進めており、景観の向上と騒音の低下やヒートアイランド現象の軽減に一役買っているそうだ。これはSDG11とSDG13により深く関係している取り組みといえそうだ。ちなみに、延びた芝生を刈るために、芝刈り専用の電車(装置)というのもある。

 東京を走る東急電鉄世田谷線では、日本で最初に再生可能エネルギー由来100%の電力で電車を走らせ始めた。路面電車という規模だから実現しやすいとも言えるが、SDGs7やSDGs13をさらに推し進める画期的なものであり、どんどん追従していってほしいと思う。

 全国の路面電車の中には大正や明治に製造されたものも現役で走っていて、昭和に造られた車両なんてザラ。製造当時のスタイルを色濃く残しているもの、「車体更新」と言って、台枠や台車、電気機器などを流用して車体だけ新しく造った、見せかけは新車風のもの、中には昔のスタイルに復元している車両もあったりするので、かなりややこしい。

 また、路線の廃止などで車両の譲渡も盛んに行われているため、例えば広島では、京都市電や大阪市電が当時のままに走っていたりする。かつて乗った経験を持っている方は、涙が出るほど感動するかもしれない。

万葉線(富山県高岡市)

路面電車界を襲った冷房化という苦難

 鉄道やバスに冷房車が登場するようになると、路面電車の冷房化も必須となってくる。特に夏の気温が高い熊本や鹿児島、高知などではそれは優先度の高いミッションとなった。特に鹿児島では火山灰によって窓を開けられないこともあるので深刻だった。

 路面電車に限らず、屋根の上に大きな箱状の物が載っているのを見かけたことがおありだろう。それが冷房装置だ。これを屋根に取り付ければ冷房化できるかというと、話はそう簡単ではない。このような大きな装置を取り付けることを前提に設計されていない古い車両の場合、これを取り付けるために車体の強度を補強する工事が必要となる。この工事には莫大な費用がかかるため、補強工事に資金を投入するのであればボディーだけでも新しくしようということで、「車体更新」が盛んに行われた。上述の複雑な事情は逼迫した経営状態での苦肉の策ともいえる。

 余談だが、冷房化工事の費用をできるだけ抑えられないかと思案した高知のとさでんには、家庭用のエアコンを2台装備した電車が走っていて、市民の間からは「霧ヶ峰号」と呼ばれているとか。屋根の上には、どこの家庭にもある室外機が2台乗っかっている姿はユニーク。肝心の冷房の効きは今ひとつらしいが、それでも無いよりはマシだろう。

高岡出身の作曲家・室崎琴月の代表作「夕日」のモニュメントと万葉線

物を大切に使う心を育む存在

 話が逸れたが、このように大切に物を使い続けて、そのための技術も蓄積しつつ、さらに廃車によって出る大量の廃棄物を削減していることは、SDG12「つくる責任 つかう責任」に当てはまる。これだけ古いものを維持し、そして使う(運転する)ことは大変な苦労を伴うが、「使い捨て」から「使い続ける」スタイルへと変化が求められるこれからの社会では、「物を大切に使う」というスピリッツを伝えることは重要だ。

 また、車両の中には海外へ譲渡されているものもあって、この場合、途上国の発展に寄与している側面もプラスされる。このあたりはSDGsでは1〜4、8〜10あたりに貢献することになるだろう。

 このように、路面電車は、その車両がたどってきた歴史、つまり「車歴」をひもといていくと実に面白い。「車齢」では60代、70代なんて言うのもザラなので、私のような中高年にとっては、「まだまだ頑張れる!」と勇気づけてくれる存在でもある。そして、これだけ長い間走っていると、いろいろなことを経験している車両もたくさんある。

福井鉄道(福井県福井市)

路面電車は平和の尊さを物語る生き証人

 特筆すべきは広島の広電だろう。ここには原爆で被爆した電車が今も現役で走っている。そして、原爆が投下された毎年8月6日の8時15分には、原爆ドーム前電停に必ずこの電車が到着するようにダイヤが組まれている。また、大阪大空襲で被災した電車も広島で活躍していて、広電では平和の尊さを伝えるシンボルとしても路面電車を位置付けている。SDG16「平和と公正をすべての人に」を強く意識させてくれる。

 ただし、古い車両を使うことは、省エネやバリアフリー化という点では、マイナスとなる部分もある。この点では省エネでかつバリアフリー化を実現している超低床車両(LRT)の導入促進が求められる。しかし、すべての車両を置き換えるのではなく、古い車両も現役で活躍しつづけられるシーンもぜひとも残してほしい。「使い続ける」ことの大切さを伝えるだけでなく、その歴史を伝えることも重要だからだ。もちろん、観光的にも魅力があり、地域の発展に寄与できる。古い街並みを駆け抜けるレトロな路面電車に旅情をそそられる人は少なくないはずだ。

富山地方地方鉄道市内線(富山県富山市)

SDGsは目的を狭めてみると、自分ごととなってわかりやすくなる

 SDGsとは「とっつきにくい」、「わかりにくい」という声もよく聞く。私自身もうまく説明できないことは非常に多い。しかし、この路面電車のように、興味がある身近な対称を当てはめてみると意外とわかりやすくなり、そして自分ごととなって、2030年に向け、自分は何をするのがいいかも見えてくる。

 もし、路面電車がお嫌いでなければ、このような視点から見直してもらうと、路面電車がきっと好きになって、しかも自然とSDGsが身近になると思うので、ぜひ試してみて欲しい。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
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【column】こんな時だから、金沢の観光について考える

新型コロナウィルス感染症の蔓延により、世界中の観光が大打撃を受けている

観光産業は観光や宿泊の施設だけでなく、交通インフラ、飲食店、またそこと取引がある業者など、実は裾野が非常に広い産業で、社会全体に及ぼすダメージは大きい。

関係者の中には、「再開したらすぐに観光客が戻ってきてくれるのだろうか?」という心配もあるだろう。まずはコロナウィルスを収束させることが第一だが、その先の経済活動を考える上で、今から準備をしておくべきことがある。

実はこの時期、漫然と待っていてはいけない

旅行の良さ」、そして「旅行に行きたい」と思う気持ちを、多くの人に持ち続けてもらうために、やるべきことがあり、それを行ったかどうかで、収束後の動向に大きな違いが出てくると考える。

何をすればいいのだろうか?

人が動けない今、動かせるのは情報と、そして物だ。「疲弊した国民の心に寄り添える」存在であったり、あるいは「こんな魅力的な場所や食べ物があったのか」という発見をもたらす情報発信や、物の提供だったりを積極的に行っていくことは効果があると思う。

実際、Web上で見ると、例えば長野県が「観光地が感染防止にできること」として始めた「#おうちでながの」プロジェクトなど、自宅で旅行に行った気分に浸ってもらおうとする取り組みが積極的になってきている。これらはもちろん、収束後に真っ先に行きたい観光地としての印象づけという意味合いも強いが、外出したいが出かけられない人たちに癒しと希望をもたらしてくれる、ありがたいものでもある。

また、株式会社ブランド総合研究所(東京都港区)では、観光客の激減により、余剰在庫となっている全国各地の食品を、専用ECサイトを通じて販売、自宅にいながら観光気分を味わってもらおうというプロジェクト「おうちで観光地グルメ」を期間限定でオープンさせている。これは商品を提供する側にとっては消費の落ち込みをカバーしてもらえる救世主であることはもちろん、自社の魅力ある商品をアピールできるチャンスにも通じ、家にいながら、味覚で旅行気分に浸れるのは、娯楽が少ない中では何より嬉しい。

今は、このように社会貢献の役割を持たせた「出かけない観光」の楽しみ方を提供していくことで、旅行に行けるようになった時に備える、そのことに注力しているところは、きっと後々の旅行者来訪数にも反映できるのではないかと思う。

どんな人に来てもらいたいか、イメージすることが重要

そしてもう一つ、今だから考えたいことがある。それは、収束した後の観光のあり方だ。

かつてバブルが崩壊した頃を境に、観光形態は団体旅行から個人旅行へとシフトしていった。しかし、効率よく稼げる団体旅行への執着が強かった観光業界には、年々減少していく団体旅行の現実をみても、「いつかはまたあの時代が戻ってくるのではないか?」そんな妄想が捨てられなかった。

その結果は、団体客への依存体質を改めることができなかったホテルや旅館、土産物店などの倒産や廃業である。廃墟となった旅館などが温泉街の景観を崩し、さらには倒壊の危険が迫るなど、今なお地域に大きな影を落としているところも少なくない。

現在、日本の観光地の多くはインバウンドによって、新たなバブルのような状況になっている。京都のように、観光客が来すぎて雰囲気を壊したり、市民生活に重大な影響を及ぼしたりすることから、「観光公害」という言葉まで生まれている。わざわざ訪ねてきてくれた人たちに対して「公害」呼ばわりをすることに、個人的には強い抵抗を感じるが、確かにこの状況は、訪れる方にも迎い入れる方にもメリットはなく、何らかの改善をしないといけないのは事実である。

例えば金沢を例にとって考えてみる。新型コロナウィルスの問題が起こる前、まちは多くの観光客であふれ、近江町市場やひがし茶屋街など、一部の観光地ではオーバーツーリズム(観光公害)の問題が起こり始めていた。

業を煮やした近江町市場のある店先には、観光客を愚弄するかのような警告も登場。その内容の稚拙さが、市場全体のイメージをダウンさせてことを記憶している人もいると思うが、実際、近江町市場の鮮魚店で話を聞くと、「観光客はほとんどが何も買ってくれない」と嘆いていた。近江町市場内には観光客をターゲットにしている店とそうでない店とが混在していて、現実としては観光地化されることに抵抗がある店もあると聞く。

近江町市場に限らず、2015年に北陸新幹線が開業し、想定を大きく超えた観光客が押し寄せ、さらにここ数年のインバウンド・ブームで、現状の対応に振り回されて、先のビジョンを考える余裕がなかったのだろう。しかし、今こそ、そういった態勢を考え直してみるタイミングだと思う。

一方で、金沢以外の周辺エリアへの波及効果は期待したほどではないという実情や、これはあくまでも個人的な印象だが、金沢自体の魅力度が下がってきているような気がするのも気になる。

それは何か?

金沢は新幹線開業で多くのテレビや雑誌で頻繁に取り上げられるようになり、知名度や人気度が急上昇した。しかし、そこで取り上げられるものの多くが、近江町市場の海鮮丼や、冬の加能ガニ等々、反響の大きいものばかりを、繰り返し繰り返し発信してきた。
その発展形として、グルメのまちとして金沢のイメージも定着したことは歓迎だが、それも多くは散発的なお店紹介に終始していて、しかも「京都っぽくていい!」みたいな位置づけになっているのも否めない。
そこにきて、インバウンド・ブームで兼六園などは日本人よりも外国人であふれ返る、まさに金沢自身が、金沢らしさを見失ってしまっているのではないだろうか。

「金沢らしさって何?」 答えられる人はどれだけいるのだろうか

前段が長くなってしまったが、「収束した後の観光のあり方」を、今こそ考える時間と捉えるべきかと思う。来る人全てを拒まずという体制では既に無理が出てきつつある現状、この先は「選別」を考えるべきなのかもしれない。

金沢だったら、グルメ、そして金沢21世紀美術館が創り上げたアートという2つの強いイメージがある。
例えばこれに沿った興味のベクトルを持つ人へ積極的にアプローチして、そのイメージをさらに強めてブランド力を高めていくのもいいかもしれないし、単純にいわゆる「富裕層」を意識した展開を厚くしていくということもありだと思う。あるいは広域での連携を行い、周辺地域へも観光客に足を延ばしてもらう工夫を行い、分散化や経済効果の波及を考えるのもいい。

なお、「金沢といえば歴史と文化では?」と思われるかもしれないが、金沢をどんな切り口で紹介しるとしても、その根底にあるのは歴史と文化で、すべての要素が歴史や文化と関わりを持たせて紹介すべきであり、それが金沢らしさを醸成してくれるはず。

バージョンアップした金沢に乞うご期待

先にも申した通り、「北陸新幹線ができて近くなった京都みたいな和風情緒漂う観光地」 実はこんなイメージが否めない金沢。

物見遊山的な旅行から、自分の興味あるテーマを深掘りしていく旅行へと、旅行者の意識が大きく変わってきている今を意識して、金沢らしさや金沢だからということをもっと前面に押し出していかないといけないのではないか、そんな危機感さえ覚える。

金沢はもちろん「京都のコピー」ではない。金沢の人は当然そう思っているが、実はそれは外にはあまり伝わっていない。もっと自信を持って「金沢らしさ」をアピールしていかねばならず、そのために、今このタイミングで、金沢の魅力をそれぞれが考え、実行に移す準備を行う期間だと思っている。

金沢のポテンシャルは、金沢の人が思っている以上に高い。

今を乗り切るのに精一杯かと思うが、一人でも多くの観光に直接、あるいは間接的に関わる人に、少しでもそのようなことを考えていただき、それを共有できる場ができたらいいなと願っている。もちろん、金沢に限ることなく、石川県、北陸、あるいは全国でも。

私は観光学の専門家ではない。「何を戯言を!」と思われる方もいるかもしれないが、自分の感覚や取材でさまざまな人の意見を聞く中から、導き出したものを披露させていただいた。

私自身も旅行を得意とするライターとして、引き続き、金沢や北陸の魅力を感じてもらえる情報発信を続けていくつもり。
それは、皆さんに、「また旅に行きたい!」という思いを忘れてもらわないために、観光地に暮らすライターがするべき使命だと思っている。

それよりまずは、皆さんにこの苦境を乗り越えていただくことを心から祈っている。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
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【金沢観光】2019年の紅葉はどこで見る? 地元ライターがおすすめする紅葉名所

城下町・金沢の秋といえば、しっぽりと紅葉見物なんていうのもいい。
そもそも、兼六園以外には、誰もが知っている紅葉名所と呼べるような場所も少ないかもしれない。

ここでは、2019年、「金沢の紅葉見るならココ!」というオススメの場所を、兼六園から金沢市民でもほとんど知らない穴場まで、ストック写真の中からピックアップ。

医王山 一足早く紅葉を楽しむならココ

富山県との県境にある県立自然公園。大自然が広がって、ここが金沢市というのもにわかに信じ難い。医王山ビジターセンターから大池や三蛇ヶ滝へ、ハイキングと紅葉狩りが楽しめる。紅葉は例年10月下旬〜11月上旬が見頃。

大池と鳶岩は絵になる
真っ赤に色づいた葉っぱ
医王山の景勝地・三蛇ヶ滝

市民の憩いの場・卯辰山は紅葉も見事

金沢城から卯辰の方角にあるので卯辰山と呼ばれるようになった。江戸時代は防犯上の理由(諸説あり)からハゲ山だったが、今は鬱蒼と気が茂り、紅葉も見事。市街地の眺望と紅葉の両方が楽しめるのもいい。例年11月中旬〜下旬が見頃。

卯辰山・見晴らし台から浅野川上流部を望む
卯辰山・見晴らし台から金沢の中心部を一望。街並みの先には日本海も見える
卯辰山の紅葉

まちなかで美しい紅葉が見られる場所

金沢のまちなかでも美しい紅葉を楽しめるスポットがそこかしこにある。
紅葉の見頃は例年11月中旬〜下旬。アメリカ楓の並木のみ11月上旬

金沢市役所から伸びるアメリカ楓の並木道の紅葉は他よりも少し早く色づく
ドウダンツツジの紅葉が素晴らしい寺島蔵人邸
寺町台地と犀川ベリをつなぐ石伐坂、通称W坂は、春は桜、秋は紅葉も
尾山神社庭園の池に映る紅葉
尾山神社庭園では静かに紅葉観賞が楽しめる

ちょっと郊外の知る人ぞ知る紅葉名所

住宅街や郊外の山など、知る人ぞ知る紅葉名所を紹介。

太陽が丘メタセコイヤ並木。SNS映えするスポットとして人気急上昇中
太陽が丘メタセコイヤ並木
白山市との境にある倉ヶ岳大池。水面にも映って2倍楽しめる
倉ヶ岳山頂からの眺め

王道の金沢城公園と兼六園の紅葉はやはり美しい!

金沢城公園と兼六園の紅葉は、一度と言わず、二度、三度と見たくなる美しさ。一日ずつ彩りが移ろう様子も楽しめるので、ぜひ、何度も足を運んで欲しい。見頃は11月中旬から下旬だが、金沢城の方が少し早い気がする。夜のライトアップも見逃せない。

金沢城の紅葉
玉泉院丸庭園のライトアップ
瓢池の紅葉。翠滝がアクセント
徽軫灯籠と雪吊り。金沢の秋を象徴する風景
霞ヶ池の畔、親不知からの眺め
意外と見逃す人が多いが瓢池のライトアップはため息が出るほど美しい
兼六園ライトアップ【秋の段】

以上、2019年の紅葉狩りのお出かけの参考になれば嬉しい!

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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【ライターの仕事】マガジンハウス「コロカル」ー富山のかまぼこ

マガジンハウスのコロカルで、“富山県で独自に進化! 幸せをシェアする「かまぼこ」を掘り下げてみる”の執筆をしました。

今回、富山のかまぼこをじっくりと掘り下げてみました。私も知らなかった富山のかまぼこ文化の奥深さを知ることができました。

 

日頃、文字制限のある紙媒体の原稿で、伝えたいことが伝えきれずにモヤモヤすることも多いのですが、文字数に制限の無いWEBマガジンは好きなだけかけるから、完全燃焼できました。

WEBマガジンは今や百花繚乱で、中にはいい加減な情報を興味本位で流している、そんなところも見受けられますが、日本を代表する出版社が手がける「コロカル」は、さすがと思えることがたくさんあり、書き手としての勉強もいろいろできました。

多くの皆さんがこの記事に関心を持ってくださったようで、たくさんの「いいね!」がついて、筆者としては望外の喜びを感じています。

お読みくださった皆さん、ありがとうございます。

そして、まだお読みになっていない方は、読み応えありますが、ぜひご一読を。

https://colocal.jp/topics/lifestyle/local/20190618_126149.html

ちなみに、この中でも紹介していますが、赤巻などの巻かまぼこって、実は新潟の上越地方から石川県と福井県の県境あたり、そして南は高山市あたりまでの狭いエリアでしか食べられていないそうです。

子どもの頃から、慣れ親しんでいらっしゃる富山県や石川県の方々には、ちょっと意外かもしれませんね。

 

また、先日東洋経済が発表した全国の「住みよさランキング2019」のトップ50のうち、巻きかまぼこが食べられている都市は、約15カ所がランクイン!

上述の通り、日本全体で考えたらすごく狭いエリアなのに、これは単なる偶然なのでしょうか?

もしかしたら、巻きかまぼこが住みよさの指針の一つになるかも知れませんよ。

取材協力:株式会社梅かま

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【金沢観光】兼六園って、いつが一番おすすめ? 最低でも春夏秋冬、4回は訪ねて欲しい、季節によって全く表情が違う名園

金沢在住のフリーライター&カメラマンの若井です。

金沢で訪ねたい観光地というと、「ひがし茶屋街」や「金沢21世紀美術館」、「近江町市場」の人気が高いようです。この3カ所ももちろんいいですが、やはり金沢にいらしたらぜひ訪れていただきたいと思うのが「兼六園」です。

日本三名園のひとつで国の特別名勝でもあり、フランスのミシュランのガイドブックで三ツ星の評価をされている、まさしく日本を代表する観光名所。

その名前の通り、同時に実現することはできない6つの景観を兼ね備えている、いわば奇跡の庭園ともいえるのです。

「では、いつの季節が一番おすすめですか?」

そんな質問をよく受けますが、兼六園の魅力は四季それぞれに違います。なので、どの季節が一番いいとは言えないんですよね。

百聞は一見に如かず。その魅力を写真でお伝えしましょう。

冬 実は意外と見ることができない雪景色の兼六園

春 梅が咲き始める早春、桜が咲くころ、そして遅咲きの菊桜やツツジが咲く晩春

夏 カキツバタが咲く初夏、木陰の水辺が気持ちいい盛夏

秋 空気が澄みすがすがしい初秋の早朝、一日ごとに表情を変える紅葉のころ

いかがでしたか。オリジナル作品でまとめましたので、見たことのない写真も多かったことと思います。
駆け足観光で徽軫灯籠だけ見て満足せず、ぜひじっくりと兼六園の隅々まで眺め、そしてまた違う季節にも訪ねてください。

ちなみに、フラッと個人で自由にめぐるよりもディープに兼六園の魅力を知ることができる、ガイドと楽しむ兼六園もおすすめです。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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【シリーズ日本海】 秋田県と石川県の意外な共通点

先日、お伝えした通り、日本海研究のレポートをしていこうと思います。

日本海側の文化を調べていたら、秋田県と私が住む石川県(一部は富山県)との意外な共通点をいくつか発見しました。

白山麓の白峰重要伝統的建造物群保存地区。秋田県と石川県はともに豪雪地帯

その1

秋田県は男鹿半島のなまはげといえば怖い顔した鬼が家々を回って、怠け者やいうことを聞かない子供を脅すというもの。これと同じ行事が能登半島に現存しています。「あまめはぎ」といいまして、「あまめ」とは「なまけタコ」のことで、体にできたそんなタコを剥ぎ取りに来るといいますから、想像しただけでも痛いです。昨年、どちらもユネスコの無形文化遺産「来訪神 仮面・仮装の神々」に登録されたことで話題になりましたね。

なお、同じく無形文化遺産に登録された山形県遊佐町のアマハゲをはじめ、新潟県のあまめはぎ、福井県のあっぽっしゃなど、酷似する行事が日本海側に多数見られます。このあたりも掘り下げたら面白いともいますが、その多くは過疎化により、実施が危惧されているような悲しい状況でもあります。

ちなみに、風物詩でもあるこれらの行事の様子は毎年、テレビでも紹介されますよね。日本海側が好きと言いつつも、このような行事がある地区で生まれなかったことを毎年安堵しながら眺めています。子供にとっちゃ、これは恐怖でしかないですもの。

その2

大豆から作られる醤油が広まる前、魚から作った魚醤油と言われるものが一般的でした。多くは廃れてしまいましたが、今も残る数少ない魚醤油が秋田県の「しょっつる」と石川県の「いしる」(「いしり」とも言う)です。秋田県の「しょっつる」は本来ハタハタが原料(「いしる」はイカやイワシ)でしたが、乱獲で数が激減して一時は全面禁漁となり、こうなごやアジ、イワシなどが代用されるようになったようです(現在は漁獲量が復活し、再びハタハタも使われている)。ちなみに石川県でもハタハタはたくさん水揚げされていますが、「いしる」の原料になるとは聞いたことがありません。

ちなみに、日本の魚醤にはほかに香川県の「いかなご醤油」が有名で、海外ではナンプラーやニョクマムが知られています。

その3

金沢の醤油ソフトクリーム

醤油ソフトクリームが名物。そもそも、ソフトクリームに醤油を入れるなんてセンス、正直ちょっと変だと思いませんか? そんな変わったものを名物にして売り出しているのが秋田県角館町と石川県金沢市(大野地区)なんです。今では全国各地にソフトクリームに醤油を混ぜたり、かけたりするソフトクリームはたくさんありますが、なかでも歴史があるのがこの2地区ではないか? 自分の調べたところではそんな風に思っています。気になるお味ですが、思いのほか美味しいと私は思います。キャラメル風の風味ですが、好き嫌いは分かれます。いずれにしても、こんな発想とそれを商品化して売り出す勇気、さらにそれを受け入れる味覚は、なんか見えない糸でつながっているとかしか思えません。

ちなみに、他にも「ここだけ」とか「元祖」を名乗るしょうゆソフトクリームはあり、上記はあくまでも自分の願望も含めた仮説に他ならないことも書き添えます。

その4

石川県のかきもち(イメージ)

雪国の寒風にさらして乾燥させた保存用の餅作りが、冬の石川県や富山県では風物詩になっています。ひもで切り餅を暖簾のように連ねて縛ったものを軒先や屋内に吊るすものです。石川や富山では「かきもち」って言いますが、秋田県にも同じものがあり、「ほしもち」といいます。餅を寒風にさらして保存食にするものはよその県にもありますが、形状や製法が秋田県と石川・富山県のものとは酷似しています(山形県や青森県の一部にも同様なものがあります)。

その5

秋田県の名物としてかなり上位にランクされるのが稲庭うどんではないでしょうか? そうめんを作るように手延べで作られるうどんで、足で踏まない上品なうどんであることから献上品として昔から高級うどんとして知られていたそうです。普通のうどんとはまったく違うつるつるしこしこの食感とのど越しは、足踏みは別にしても高貴な味わいですね。

こんなうどんは他所にないと思っていたら、能登半島の付け根の富山県氷見市には「氷見のうどん」という、稲庭うどんと同じ製法のうどんがありました。厳密に食べ比べたわけではありませんが、稲庭うどんに勝るとも劣らない、そんな美味しいうどんです。

ちなみに、この氷見うどんのルーツが輪島素麺(昭和に入り途絶えたが最近復興)で、その輪島素麺は、奈良の三輪素麺がルーツとするほか、長崎の五島列島から伝わったという説もあります。五島列島には、稲庭うどんと讃岐うどんとともに日本三大うどんのひとつに数えられる五島うどんがあり、このうどんも実は稲庭うどんと同じく手延べうどんなのです。いずれも日本海を流れる対馬海流の流域であることは興味深いですね。

北前船船主らが住み、大いに栄えた加賀市橋立地区

秋田県と石川県。北前船を出すまでもなく、同じ日本海側であり海路のつながりがあったことはもちろん、大陸との交流や地理的なこと(どっちも日本海に大きく突き出した半島がある)など、色々のことが考えられます。

まあ、こじ付けといえばそれまでかもしれませんが、新潟や山形、青森とはこのような類似はなさそうだし、何か不思議な縁を感じてしまいます。

ちなみに、秋田県といえば、これも以前お伝えしました通り、自分が人生で最初にひとり旅で訪れた場所で、異論もありますが、秋田県も石川県も美人が多いという共通項も書き添えておきますね。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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あけましておめでとうございます

雪の兼六園(イメージ)

今年も豆本工房わかいをよろしくお願いします。

フリーランスの編集者・ライターとなって2年目となる今年、自分のとっては勝負の年となります。もっと自分の色を明確に出さないといけないと考えていて、前々から考えていた「日本海研究」を積極的にしていこうと思っています。

もともと太平洋側で生まれ育った私にとって、日本海側はあこがれの地でもありました。子供の頃、夏休みに新潟県村上市で1週間ほど滞在したことがあり、生まれて初めて日本海で泳いだ時の感動は今も忘れられません。

そして、中学2年生の時、人生で最初のひとり旅に出かけたのが秋田県でした。親戚がいるわけでもないのに、そこまで秋田県に惹かれたのかは、今となってははっきり覚えていませんが、秋田駅から乗ったローカル線で向かいの席に座った女性2人がめっちゃ美人だったことだけは今も鮮明に覚えています(笑)。

20年前、金沢に移住することを決めたのは、取材で訪れた能登半島の美しい海と出会った人々のぬくもりに、「こんな場所に住みたい」という思いが根底にありました(諸般の事情で、能登暮らしは実現できていませんが)。

そういえば、若井の祖先は新潟県出身だというし、日本海側にあこがれ、そこに居ると不思議と安堵するのは、血なのかもしれません。

冬の日本海 能登半島曽々木海岸

日本海側には太平洋側とは少し違う独特な文化があり、自分にはそのことに興味津々だったりします。

そんな視点から日本海側をひもとき、掘り下げていく、自分なりの「日本海研究」を重ねていきたい。もちろん、学者ではありませんから、日本海側の魅力を全国へ、そして世界へと発信するための情報収集が主です。

幸い、太平洋側で生まれ育ったという「外からの目線」を持っていることや、旅行雑誌などに長年関わり、培われた広い視野もありますので、人とは違う視点から日本海を語れるようになることを目標とします。

そして、名実ともに「日本海ライター」と名乗れるように、日々研鑽してまいります。そのためにも今年は日本海沿岸を放浪したいと思っていますが、それはまあ、無理ですかね(笑)。

研究成果はここでも随時発表してまいります。 本年も温かいご支援のほどよろしくお願いします。

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