作家紹介 interview

Interview
豆本工房わかい 製本作家
若井将代 Masayo.Wakai

本が好き。その思いを一人でも多くの方と共有したいです。

本に関わる仕事がしたい

 子どもの頃から本を読むのが好きで、出版社に就職しました。その後アルバイトで、印刷会社や広告代理店、書店と、本と縁がある仕事をしてきました。
 そして、これからも本に関わることを仕事にしていきたいと思ったときに、「豆本」を紹介している本と出あいました。自分で豆本を作れるようになりたい!と思い、たくさんの本から製本を学びました。
 製本がある程度できるようになって友人に見せると「これで手帳を作って!」と注文してくれてました。中身はIllustratorで作り、それをインクジェットのプリンターで印刷したものでしたが、手作りならではの世界に一冊だけというのがうけて、地元のテレビ局でも取り上げられ、近所の雑貨店でも販売してもらい、評判となりました。
 手帳を作るようになると、製本だけでなくカルトナージュ(フランス伝統の厚紙工芸)の知識も必要となり、その勉強をしました。そして、カルトナージュの技術を生かして、額縁やアルバムなども作り始め、さらに製本の技術と組み合わせ、ノートカバーを誕生させました。

使う人が元気になれる作品作り

 常に日々の生活が楽しくなり、元気になれる作品を作りたいと思っています。丈夫さや使いやすさは常に、イベントでは直接お客様の声を聞き、日々進化させて完成度を上げてります。
 「これを持つことで、仕事を頑張れるようなりました!」「ご褒美に、新しいのを買いに来ました!」と言ってくださるお客様の声に励まされて、さらにいいものにしていこうと思っています。
 一方、豆本のアクセサリーは、本好きの方々にとても人気です!とても小さいけど存在感があるので「それなに?」がきっかけとなって初対面の人とスムーズな会話ができたり、「えっ!本好きなんですか?」と趣味をアピールできるグッズでもあります。これも持つことで、気分が上がり元気になれると思っています。

本のことがもっと好きになれるワークショップ

 本の作り方を教えることも取り組んでいます。本を作るということはあまり馴染みが無く、とても難しく思っている方が多いです。自分の手で本ができるとちょっと感動します。ワークショップの参加者から「本当に本ができた!」という声は、とても嬉しいです。ワークショップでは、豆本や和綴じ、文庫本のハードカバーへのリメイクなど、誰でも簡単に作れるプログラムを提供しています。
 活字離れ、本離れという言葉を聞くと本好きな私には寂しく思いますが、本作りを体験することで本好きを増やすことが出来れば考えています。さらに豆本の中身を作ることを体験できる「ちょい編集長体験」プログラムなども考案し、本の楽しみ方を提供しています。これからも本の魅力を発信していこうと思っています。

わかい・まさよ    
埼玉県生まれ。1999年より金沢で暮らす。2006年より本格的に製本作家としてデビューをする。石川、富山、福井を中心にイベントに出たり、ワークショップをしている。