【ライターの仕事】『旅の手帖』12月号 食べに行きたい温泉宿 輪島と越前の宿を取材

『旅の手帖』12月号(2019年11月10日発売)の第一特集「食べに行きたい温泉宿」で、石川県輪島市の民宿深三と、福井県越前町の越前の宿うおたけを取材、記事にしました。
深三は昨年の8月号の民宿特集で電話取材をして以来、ずっと気になっていた宿。想像した以上に素敵なところでした。そしてご主人と奥さんの考え方やこだわりもいいですね。

雑誌にちょっと載ると、「これ以上予約がとりにくくなると困る!」って常連さんから言われるそうですが、今回はドーンと3ページで紹介しちゃいました。全国誌で3ページは深三史上初らしいです。
個人的にもぜひ泊まりに行きたい宿なので、予約が取りにくくなるのはちょっと困りますが、カメラマンが撮った写真と合わせて、すごくいい感じにまとまっていると思いますので、大反響を期待しています。

もう一軒、うおたけは、極上の越前がにが食べられる宿。取材時はまだ解禁前だったので、越前がにのおいしさは妄想しながら書きました。
でも、その時に試食させていただいた、越前の新たなブランド魚「越前がれい」(アカガレイ、ちなみに「若狭がれい」はササガレイ)は絶品でした。
カニのシーズンはもちろん、それ以外の季節も注目したい宿です。

撮影用に用意してくださった舟盛り!

12月号では「めでたい和菓子」も特集。「甘味の文化も百万石 金沢和菓子さんぽ」と題して、金沢の話題の和菓子を6ページで紹介しています。記事を書いているのは、金沢の先輩ライターHさん(歳は向こうのほうがずっと若いです)です。
余談ですが、Hさんも2名のカメラマンさんも皆んな『自然人』でお世話になった皆さん。なんかページをめくりながら、一人で感慨にふけっています。

さらに、特別企画で、「美味しい冬の北陸」も。

めっちゃ北陸比率の高い『旅の手帖』12月号。
北陸の方はもちろん、北陸に行きたいと思っている方も必見です!


【ライターの仕事】『旅の手帖』11月号「冬の北陸」特別企画を担当

『旅の手帖』11月号では、「北陸新幹線で行く冬の北陸」を担当しました。

『旅の手帖』11月号 今回は黄色い丸の中を担当!

いよいよ11月6日には、待ちに待ったズワイガニ漁が北陸で解禁となりますが、この特別企画では、ひと足先に解禁されている富山のベニズワイガニも含めて、北陸三県のブランドガニのおいしさに迫っています。

6ページにわたって紹介

記事を書いていた時は、ベニズワイガニも解禁前でしたので、カニカマを食べながら、昨年食べた蟹の味を思い出しつつ、がんばって書きました〜〜(笑)。

カニ以外にも、富山、石川、福井の冬に訪れたい観光スポットも紹介しています。
旅行でいらっしゃる方はもちろん、北陸にやってきた友人や知人を案内するときにもきっとお役に立つと思います。

ズワイガニ漁解禁直後で賑わう近江町市場の店先(写真は誌面のものとは違います)

11月はズワイガニ の解禁のほか、まちなかの紅葉も見頃を迎える、とってもいい時期なんですけど、台風19号の被害で北陸新幹線があんなことになってしまって・・・。
1日も早い復旧を祈っています!

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【column】2019年の紅葉はどこで見る? 地元ライターがおすすめする金沢の紅葉名所

城下町・金沢の秋といえば、しっぽりと紅葉見物なんていうのもいい。
そもそも、兼六園以外には、誰もが知っている紅葉名所と呼べるような場所も少ないかもしれない。

ここでは、2019年、「金沢の紅葉見るならココ!」というオススメの場所を、兼六園から金沢市民でもほとんど知らない穴場まで、ストック写真の中からピックアップ。

医王山 一足早く紅葉を楽しむならココ

富山県との県境にある県立自然公園。大自然が広がって、ここが金沢市というのもにわかに信じ難い。医王山ビジターセンターから大池や三蛇ヶ滝へ、ハイキングと紅葉狩りが楽しめる。紅葉は例年10月下旬〜11月上旬が見頃。

大池と鳶岩は絵になる
真っ赤に色づいた葉っぱ
医王山の景勝地・三蛇ヶ滝

市民の憩いの場・卯辰山は紅葉も見事

金沢城から卯辰の方角にあるので卯辰山と呼ばれるようになった。江戸時代は防犯上の理由(諸説あり)からハゲ山だったが、今は鬱蒼と気が茂り、紅葉も見事。市街地の眺望と紅葉の両方が楽しめるのもいい。例年11月中旬〜下旬が見頃。

卯辰山・見晴らし台から浅野川上流部を望む
卯辰山・見晴らし台から金沢の中心部を一望。街並みの先には日本海も見える
卯辰山の紅葉

まちなかで美しい紅葉が見られる場所

金沢のまちなかでも美しい紅葉を楽しめるスポットがそこかしこにある。
紅葉の見頃は例年11月中旬〜下旬。アメリカ楓の並木のみ11月上旬

金沢市役所から伸びるアメリカ楓の並木道の紅葉は他よりも少し早く色づく
ドウダンツツジの紅葉が素晴らしい寺島蔵人邸
寺町台地と犀川ベリをつなぐ石伐坂、通称W坂は、春は桜、秋は紅葉も
尾山神社庭園の池に映る紅葉
尾山神社庭園では静かに紅葉観賞が楽しめる

ちょっと郊外の知る人ぞ知る紅葉名所

住宅街や郊外の山など、知る人ぞ知る紅葉名所を紹介。

太陽が丘メタセコイヤ並木。SNS映えするスポットとして人気急上昇中
太陽が丘メタセコイヤ並木
白山市との境にある倉ヶ岳大池。水面にも映って2倍楽しめる
倉ヶ岳山頂からの眺め

王道の金沢城公園と兼六園の紅葉はやはり美しい!

金沢城公園と兼六園の紅葉は、一度と言わず、二度、三度と見たくなる美しさ。一日ずつ彩りが移ろう様子も楽しめるので、ぜひ、何度も足を運んで欲しい。見頃は11月中旬から下旬だが、金沢城の方が少し早い気がする。夜のライトアップも見逃せない。

金沢城の紅葉
玉泉院丸庭園のライトアップ
瓢池の紅葉。翠滝がアクセント
徽軫灯籠と雪吊り。金沢の秋を象徴する風景
霞ヶ池の畔、親不知からの眺め
意外と見逃す人が多いが瓢池のライトアップはため息が出るほど美しい
兼六園ライトアップ【秋の段】

以上、2019年の紅葉狩りのお出かけの参考になれば嬉しい!

北陸の取材・撮影のご依頼はこちらまで。


【ライターの仕事】インタビュー承ります!

会社案内なら、トップの考えを。
あるいは社員のメッセージを。

製品カタログなら、開発者の想いを。
あるいはユーザーの声を。

社史だったら、OBの経験談を。
あるいは新入社員の抱負を。

印刷物やウェブで、情報発信を行いたいと思った時、読んで心が動かされる、そんな記事を載せませんか?

インタビューは、ただ漫然と話しを聞いて原稿にするだけではダメ。
伝えたい内容をわかりやすく、しかも印象深く伝えるためには、プロにお任せください。

当工房なら、インタビュー記事はもちろん、写真撮影も一括してお任せいただけます。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

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【ライターの仕事】マガジンハウス「コロカル」ー富山のかまぼこ

マガジンハウスのコロカルで、“富山県で独自に進化! 幸せをシェアする「かまぼこ」を掘り下げてみる”の執筆をしました。

今回、富山のかまぼこをじっくりと掘り下げてみました。私も知らなかった富山のかまぼこ文化の奥深さを知ることができました。

 

日頃、文字制限のある紙媒体の原稿で、伝えたいことが伝えきれずにモヤモヤすることも多いのですが、文字数に制限の無いWEBマガジンは好きなだけかけるから、完全燃焼できました。

WEBマガジンは今や百花繚乱で、中にはいい加減な情報を興味本位で流している、そんなところも見受けられますが、日本を代表する出版社が手がける「コロカル」は、さすがと思えることがたくさんあり、書き手としての勉強もいろいろできました。

多くの皆さんがこの記事に関心を持ってくださったようで、たくさんの「いいね!」がついて、筆者としては望外の喜びを感じています。

お読みくださった皆さん、ありがとうございます。

そして、まだお読みになっていない方は、読み応えありますが、ぜひご一読を。

https://colocal.jp/topics/lifestyle/local/20190618_126149.html

ちなみに、この中でも紹介していますが、赤巻などの巻かまぼこって、実は新潟の上越地方から石川県と福井県の県境あたり、そして南は高山市あたりまでの狭いエリアでしか食べられていないそうです。

子どもの頃から、慣れ親しんでいらっしゃる富山県や石川県の方々には、ちょっと意外かもしれませんね。

 

また、先日東洋経済が発表した全国の「住みよさランキング2019」のトップ50のうち、巻きかまぼこが食べられている都市は、約15カ所がランクイン!

上述の通り、日本全体で考えたらすごく狭いエリアなのに、これは単なる偶然なのでしょうか?

もしかしたら、巻きかまぼこが住みよさの指針の一つになるかも知れませんよ。

取材協力:株式会社梅かま


【ライターの仕事】『旅の手帖 2019年5月号』

旅の手帖 2019年5月号

交通新聞社が発行する『旅の手帖』の5月号(2019年4月10日発売)の第一特集「湯めぐりしたい温泉街」で、山中温泉のページの取材・執筆を担当しました。

山中温泉、久しぶりにじっくりと訪ねましたが、やっぱいいですね。
なかなか行く機会がなかった「東山ボヌール」や、巷で人気急上昇中の「和酒Bar 縁がわ」、「mokume」など、最新のスポットを回ってきました。

山中温泉は4ページで紹介!

山中温泉は女性に人気というのもうなづける、おしゃれなところ。
実はオトメゴコロもある私が丹念に取材して記事にしました。
全国の皆さんはもちろん、地元、石川の人にも読んでいただきたい、山中温泉の紹介記事です。

この特集では、野沢温泉や有馬温泉、伊香保温泉など、他にも、温泉街をゆっくりと散策したり、外湯めぐりを楽しみたくなる、そんな日本を代表する温泉街がラインナップされています。ぜひ、読んでくださいね!

特集のトビラで温泉玉子を作っている手は私(笑)

*旅の手帖の最新号の詳しい情報は、こちら

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【シリーズ日本海】 秋田県と石川県の意外な共通点

先日、お伝えした通り、日本海研究のレポートをしていこうと思います。

日本海側の文化を調べていたら、秋田県と私が住む石川県(一部は富山県)との意外な共通点をいくつか発見しました。

白山麓の白峰重要伝統的建造物群保存地区。秋田県と石川県はともに豪雪地帯

その1

秋田県は男鹿半島のなまはげといえば怖い顔した鬼が家々を回って、怠け者やいうことを聞かない子供を脅すというもの。これと同じ行事が能登半島に現存しています。「あまめはぎ」といいまして、「あまめ」とは「なまけタコ」のことで、体にできたそんなタコを剥ぎ取りに来るといいますから、想像しただけでも痛いです。昨年、どちらもユネスコの無形文化遺産「来訪神 仮面・仮装の神々」に登録されたことで話題になりましたね。

なお、同じく無形文化遺産に登録された山形県遊佐町のアマハゲをはじめ、新潟県のあまめはぎ、福井県のあっぽっしゃなど、酷似する行事が日本海側に多数見られます。このあたりも掘り下げたら面白いともいますが、その多くは過疎化により、実施が危惧されているような悲しい状況でもあります。

ちなみに、風物詩でもあるこれらの行事の様子は毎年、テレビでも紹介されますよね。日本海側が好きと言いつつも、このような行事がある地区で生まれなかったことを毎年安堵しながら眺めています。子供にとっちゃ、これは恐怖でしかないですもの。

その2

大豆から作られる醤油が広まる前、魚から作った魚醤油と言われるものが一般的でした。多くは廃れてしまいましたが、今も残る数少ない魚醤油が秋田県の「しょっつる」と石川県の「いしる」(「いしり」とも言う)です。秋田県の「しょっつる」は本来ハタハタが原料(「いしる」はイカやイワシ)でしたが、乱獲で数が激減して一時は全面禁漁となり、こうなごやアジ、イワシなどが代用されるようになったようです(現在は漁獲量が復活し、再びハタハタも使われている)。ちなみに石川県でもハタハタはたくさん水揚げされていますが、「いしる」の原料になるとは聞いたことがありません。

ちなみに、日本の魚醤にはほかに香川県の「いかなご醤油」が有名で、海外ではナンプラーやニョクマムが知られています。

その3

金沢の醤油ソフトクリーム

醤油ソフトクリームが名物。そもそも、ソフトクリームに醤油を入れるなんてセンス、正直ちょっと変だと思いませんか? そんな変わったものを名物にして売り出しているのが秋田県角館町と石川県金沢市(大野地区)なんです。今では全国各地にソフトクリームに醤油を混ぜたり、かけたりするソフトクリームはたくさんありますが、なかでも歴史があるのがこの2地区ではないか? 自分の調べたところではそんな風に思っています。気になるお味ですが、思いのほか美味しいと私は思います。キャラメル風の風味ですが、好き嫌いは分かれます。いずれにしても、こんな発想とそれを商品化して売り出す勇気、さらにそれを受け入れる味覚は、なんか見えない糸でつながっているとかしか思えません。

ちなみに、他にも「ここだけ」とか「元祖」を名乗るしょうゆソフトクリームはあり、上記はあくまでも自分の願望も含めた仮説に他ならないことも書き添えます。

その4

石川県のかきもち(イメージ)

雪国の寒風にさらして乾燥させた保存用の餅作りが、冬の石川県や富山県では風物詩になっています。ひもで切り餅を暖簾のように連ねて縛ったものを軒先や屋内に吊るすものです。石川や富山では「かきもち」って言いますが、秋田県にも同じものがあり、「ほしもち」といいます。餅を寒風にさらして保存食にするものはよその県にもありますが、形状や製法が秋田県と石川・富山県のものとは酷似しています(山形県や青森県の一部にも同様なものがあります)。

その5

秋田県の名物としてかなり上位にランクされるのが稲庭うどんではないでしょうか? そうめんを作るように手延べで作られるうどんで、足で踏まない上品なうどんであることから献上品として昔から高級うどんとして知られていたそうです。普通のうどんとはまったく違うつるつるしこしこの食感とのど越しは、足踏みは別にしても高貴な味わいですね。

こんなうどんは他所にないと思っていたら、能登半島の付け根の富山県氷見市には「氷見のうどん」という、稲庭うどんと同じ製法のうどんがありました。厳密に食べ比べたわけではありませんが、稲庭うどんに勝るとも劣らない、そんな美味しいうどんです。

ちなみに、この氷見うどんのルーツが輪島素麺(昭和に入り途絶えたが最近復興)で、その輪島素麺は、奈良の三輪素麺がルーツとするほか、長崎の五島列島から伝わったという説もあります。五島列島には、稲庭うどんと讃岐うどんとともに日本三大うどんのひとつに数えられる五島うどんがあり、このうどんも実は稲庭うどんと同じく手延べうどんなのです。いずれも日本海を流れる対馬海流の流域であることは興味深いですね。

北前船船主らが住み、大いに栄えた加賀市橋立地区

秋田県と石川県。北前船を出すまでもなく、同じ日本海側であり海路のつながりがあったことはもちろん、大陸との交流や地理的なこと(どっちも日本海に大きく突き出した半島がある)など、色々のことが考えられます。

まあ、こじ付けといえばそれまでかもしれませんが、新潟や山形、青森とはこのような類似はなさそうだし、何か不思議な縁を感じてしまいます。

ちなみに、秋田県といえば、これも以前お伝えしました通り、自分が人生で最初にひとり旅で訪れた場所で、異論もありますが、秋田県も石川県も美人が多いという共通項も書き添えておきますね。

若井憲○日本海ライター
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2018年お世話になりました!

フリーランスとなって最初の年。
一年目は仕事もほとんどないだろうと内心覚悟していましたが、想定していたよりもはるかにたくさんのお仕事をさせていただくことができ、また、たくさんのご縁も生まれ、激動ながらも、とても充実した一年を過ごすことが出来ました。
この場を借りて御礼を申し上げます。

2018年に関わらせていただいた雑誌(一部)

今年携わらせてもらった雑誌、こうやって見るとたくさんありますね。昨年までは季刊誌とプラスちょっとだけだったので、冊数でいうと2倍、いや3倍以上かな(笑)。
これ以外にもちょこちょこっと関わらせていただいた仕事もありました。

紙媒体以外では、webのライターの仕事もたくさんさせていただきました。トータルでいうとこっちの方が多いかも。時代ですね。

主なものを上げておきます。

国連大学IAS-OUIK SDGsダイアログシリーズレポーター
北陸経済連合会 北陸物語 ライター
金沢市観光協会 かなざわ自由時間 特集 ライター

意外なことに、自営業の方がサラリーマンよりも時間が自由にならないことを知り、生活が安定しないことへの不安もありますが、心はサラリーマン時代よりも自由に、そして安定しました(笑)。

私流の「働き方改革」の第一歩は成功したと思いますが、2019年はもっともっと頑張らないといけません。
こんな私に仕事を依頼してみたいなと思ってくださったら、ぜひお気軽に下記からお問い合わせください。

ご依頼・お問い合わせ

※得意分野や業務内容などについては、こちらの「編集・ライター」のページをご覧ください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。では、よいお年をお迎えください。


【column】北陸は発酵食王国

東京や名古屋、京都、大阪といった大都会からそれほど離れていないにもかかわらず、ここ北陸には独特な食文化が根付いています。なかでも特徴あるのが、発酵食。
発酵食とは、発酵により、食品の保存性を高めつつ、味そのものも変化させるもの。その代表は「漬物」でしょう。

日本全国に漬物はありますが、ここ北陸の発酵食は漬けるものがちょっと違います。

一般的には漬物で漬けるものと言えば、カブや白菜、キュウリ、大根など野菜が主役でしょうが、北陸には魚の漬物がたくさんあります。

鰤を挟んだかぶら寿し

なかでも独特なものが麹漬け、そして糠漬け。多くはいったん塩漬けした魚を、糠や麹で漬けなおします。
魚を糠(ぬか)で漬けるというのは、知らない人にとっては軽いカルチャーショックかもしれませんね。

また、麹(こうじ)や米を使った、寿しの原点ともいわれるナレズシも各地にあり、今も盛んに作られています。

では、どんな漬物があるのか? 順を追って紹介していきましょう。

まずは、糠漬け。サバを使った「へしこ」、イワシを使った「こんかいわし」などが一般的ですが、猛毒のふぐの卵巣をこの方法で無毒にした珍味「ふぐの子糠漬け」もこの分類です。

ふぐの子糠漬け入りのアイスクリームもある
へしこ作り

福井県若狭地方に伝わる「へしこ」(へしこは福井県での呼び名、石川県ではこんかさばと呼ぶことも)は、もともとたくさん獲れた鯖を保存する方法として発展した保存食です。
いったん塩漬けした鯖を、米ぬかに漬け直します。へしこは土用の暑さを越さないとうまみが出ないそうで、半年から一年以上しっかりと漬けこむ手間暇を要するものです。
食べ方はいろいろありますが、私のおすすめは、薄くスライスした身を軽くあぶり、ご飯にのっけて熱々のお茶をかけるお茶漬けです。
近年の研究では、鯖などの青魚に含まれる「ペプチド」は、病気の回復促進、免疫力アップ、糖尿病の症状改善、シミ・ソバカス除去、血圧抑制、血液さらさら効果が期待でき、糠に漬け込むことでペプチドがより多く摂取できることが分かってきたそうです。
おいしいだけでなく、発酵により栄養価も高まり、さらに健康面にも効果が期待できる、へしこは実に優れた食品なのです。

軽くあぶって脂の浮いたへしこ

麹漬けの代表は、サバやアユを漬けた「ナレズシ」や、能登地方にみられる「アジのすす」などがあります。また、石川県や富山県のお節料理にも登場する「かぶら寿し」や「大根寿し」もこの分類で、野菜と魚を一緒に漬ける珍しいもの。

「かぶら寿し」とは、輪切りにした大カブの中に塩漬けしたブリ(富山県ではサバやサケも)を挟み、麹で漬けます。由来には諸説ありますが、江戸時代、贅沢品で庶民が食べることを禁じられていたブリを、カブに挟み、隠して食べたとも言われます。

かぶら寿しについて、下記のサイトで詳しく紹介されています。

かぶら寿しの歴史――四十萬谷本舗
https://www.kabura.jp/contents/history/

大根寿し

「大根寿し」は北前船で北海道から運ばれてきた身欠きにしんと大根を麹で漬けたもので、こちらの方がより庶民的な味として親しまれてきました。奥美濃地方の郷土料理に「にしんずし」というものがりますが、これも大根寿しによく似たもので、かぶら寿しよりも大根寿しの方が広い範囲で食べられてきていると言えそうです。

たまに、「かぶら寿しと大根寿しのどっちが好き?」と聞かれることがありますが、これは「寒ブリとズワイガニのどっちが好き?」と聞くようなもので、実に愚問だと思います。
私はもちろん、どっちも好き。ただし、この手の発酵食品は発酵が進むと突然不味くなりますので、賞味期限には注意しましょう。

そして、私が北陸を代表する究極の発酵食だと思っているのが、福井県若狭地方の「ナレズシ」です。

究極の発酵食・ナレズシ

なれずしと聞くと、「鮒ずし」など臭いの強いものを想像してしまいますが、淡雪のようなご飯と麹をまとったこの鯖のなれずしは、チーズやヨーグルトのような風味で、ほのかな酸味と甘みがあり、やや硬めの身はかむほどに鯖の風味が口に広がり、上品な〆鯖を思わせる味わいです。
実は、この「ナレズシ」は「へしこ」から作られているということは意外と知られていません。鯖を半年から一年、しっかりとぬかに漬けてできた「へしこ」を塩出しして、さらにご飯と麹で10~20日ほど漬け込んでようやく「ナレズシ」となります。

さまざまな発酵食がある北陸でも、このように「ぬかに漬ける」と「麹や米に漬ける」の2つの工程を経る発酵食は珍しく、さらにおいしくして食べたいとする先人たちの思いが作り上げた逸品と言えます。

「ナレズシ」は、あまり出回っていないかもしれませんが、冬の小浜の真の名物だと思います。

麹を使った発酵食は、発酵のコントロールがしやすい冬場しか提供できないものも多く、冬にズワイガニや寒ブリを目当てに北陸に訪れた際、ぜひ、そんな珍しい発酵食もご賞味ください。

写真・文○若井憲〈北陸ライター〉
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【ライターの仕事】水の文化60号

醸造メーカーのミツカンが年3回発行している機関誌『水の文化』60号の特集「水の守人」で、福井工業大学の笠井教授を取材しました。

「雨水生活は成り立つのか?」と題し、今なお雨水だけで生活している長崎県五島列島の赤島で、安全快適に雨水生活を送るための実証実験について、4ページで紹介しています。

雨水って汚いのではないか? そう思う誤った常識を覆し、Iot技術などを使えば安心安全な飲料水として活用できることなど、まさしく「目から鱗が落ちるような話」の数々でした。

昨今の自然災害などで問題となっているのがライフライン被害の長期化ですが、家々が自前で雨水をためる「蓄雨」が普及すれば、断水の影響が軽減されるほか、都市部では下水に集中する洪水のピークをずらすことも可能となります。

さらに、このシステムは国内にとどまらず、日本と同様にモンスーン地帯など雨がたくさん降るところであれば有効。生水を飲んでお腹を壊す心配もなくなるかもしれません。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標のひとつ、「安全な水とトイレをみんなに」の達成にも貢献でき、いろいろな可能性を感じます。これからの笠井先生の研究から目が離せません。

この号では他にも、白山麓にある岐阜県郡上市石徹白地区の小水力発電や、8月に金沢でグリーンインフラの国際会議が開催されたときに登壇されていた東京農業大学の福岡先生のグリーンインフラ世界事情も載っています。

ところで、なんでミツカンがこのような機関誌を発行しているのか? 気になりますよね。

ミツカンには水の文化センターという機関があり、「人と水とのかかわり」によって生み出されてきた生活様式を「水の文化」と捉え、「健全な水循環」が保持されるよう20年にわたり研究活動や情報交流活動を行っているそうです。
その活動を広く伝えるものが、この機関誌『水の文化』です。

私がこの機関誌の存在を知ったのはわずか数年前で、北前船を特集している号を手に入れ、そのクオリティの高さに驚き、大手とはいっても、一企業がここまで本気で情報の集積と発信を行っていることに感動を覚えました。

今回、ご縁があってそのお手伝いをさせていただきました。しかも、60号という節目の号で光栄至極です。

なお、機関誌は下記のサイトからPDFをダウンロードできますので、ぜひ、ご覧ください。

ミツカン水の文化センター
http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/