取材して原稿を書く、上達のヒントを教えます

取材って聞くと、難しそうとか、私には関係ないと思う方も多いでしょう。でも、取材は新聞やテレビの記者や雑誌のライターだけがするものではありません。
そもそも取材とは、「作品や報道の材料をある物事・人から取ること」なのです。
実はこれ、さまざまなシーンに応用できる、身につけておいて損はないテクニックなのです。
例えば社内報や学校通信の編集とか、お店のチラシを作るといった場合はもちろん、ブログに記事を書いたり、会社の朝礼でスピーチしたりする時にでも意識せずに取材行為はしています。

では、どんなテクニックがあるのか? 今の時代、取材の仕方をネットで検索すればたくさんの情報が得られますが、そのほとんどが取材のアポの取り方やインタビューの仕方、メモを取るか録音をするかなどなど、プロ向けの具体的な技術を紹介するものばかり。

そんな技術的なことよりももっと大事なことがあります。それは、集めた話を何に使うか?ということ。つまり、どんなターゲットに発信するものかということを、どれだけ意識するかということです。

取材する時には、そのターゲットになったつもりで、聞きたいことを対象にぶつければいいだけ。簡単な話ですが、意外とプロのライターでもできてない人が多いんです。

自分が知りたいことを聞いたり調べたりすると思っている人が多いのですがそれは間違い。読者が知りたいことを聞いて調べるのです。

「聞けることは全部聞いてやろう」と意気込み、いろいろな材料を集めすぎて、結局目的を見失ってしまうということも、よくあります。

以上はインプットの話。そして、アウトプット、つまり原稿を書く場合も同様に、具体的な仮想ターゲットを頭の中に思い浮かべて書かないといけません。

以前、シニア向けの情報誌の編集者をしていた時、若い人がシニア向けの記事を書くのに苦労していたのを見て、「自分のお祖父ちゃんに送る手紙だと思って書いてごらん」とアドバイスしたら、それだけで、ターゲットにふさわしい素晴らしい原稿が上がってきました。

伝えたい相手に伝わる記事を作るには、とにかく記事を読む人間の気持ちになって、取材して、書くことに尽きます。

対象が同じ世代、同じ趣味など等身大で原稿が書ける場合でも、見解が違う人や性別の違いなど、少しでも立場が違う人のことを思い浮かべると、独りよがりではなく、伝わりやすい文章になるでしょう。

自分中心の「伝える文章」ではなく、相手のことを思い浮かべながら書く、「伝わる文章」が求められるのです。「え」と「わ」の一字違いですが、このことを意識すれば、驚くほど取材や原稿書きが上達するはずです。

これからも、ライターや編集者、たまにはカメラマン、まれにはイラストレーター、デザイナーといった、本や印刷物、そしてウェブに携わる仕事に関して、私見を披露していこうと思います。もし、さらに詳しく知りたいという奇特な方がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください。

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【ライターの仕事】旅の手帖2019年3月号&ジパング倶楽部2019年3月号

ジパング倶楽部3月号と旅の手帖3月号

交通新聞社が発行する月刊旅行雑誌『旅の手帖』の3月号・第二特集「楽しい“どんづまり” 終着駅のある町へ」で、のと鉄道穴水駅と穴水町めぐりの記事を書きました。

穴水町の風物詩・いさざ漁や、明治時代にこの地にやってきたパーシヴァル・ローエル、そして地元で愛され続ける銘菓などを取材。久しぶりに本気で撮ったのと鉄道の走行写真も見もの(?)です。
2月10日全国の書店で発売。

また、JRの『ジパング倶楽部』の3月号・特集「自然溢れる美術館」では、岐阜県高山市にある飛騨高山美術館を取材・撮影しました。この美術館は、アール・ヌーヴォー、アール・デコを中心とした装飾美術に特化した世界的にも珍しい美術館で、ミシュランの三つ星など世界的な評価が高いところ。取材日は運良く晴れてくれ、美しい北アルプスを望む美術館の写真を撮ることができました。『ジパング倶楽部』はジパング倶楽部会員限定の旅の情報誌となり、書店等で購入はできません。

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2018年お世話になりました!

フリーランスとなって最初の年。
一年目は仕事もほとんどないだろうと内心覚悟していましたが、想定していたよりもはるかにたくさんのお仕事をさせていただくことができ、また、たくさんのご縁も生まれ、激動ながらも、とても充実した一年を過ごすことが出来ました。
この場を借りて御礼を申し上げます。

2018年に関わらせていただいた雑誌(一部)

今年携わらせてもらった雑誌、こうやって見るとたくさんありますね。昨年までは季刊誌とプラスちょっとだけだったので、冊数でいうと2倍、いや3倍以上かな(笑)。
これ以外にもちょこちょこっと関わらせていただいた仕事もありました。

紙媒体以外では、webのライターの仕事もたくさんさせていただきました。トータルでいうとこっちの方が多いかも。時代ですね。

主なものを上げておきます。

北陸経済連合会 北陸物語 ライター
金沢市観光協会 かなざわ自由時間 特集 ライター

意外なことに、自営業の方がサラリーマンよりも時間が自由にならないことを知り、生活が安定しないことへの不安もありますが、心はサラリーマン時代よりも自由に、そして安定しました(笑)。

私流の「働き方改革」の第一歩は成功したと思いますが、2019年はもっともっと頑張らないといけません。
こんな私に仕事を依頼してみたいなと思ってくださったら、ぜひお気軽に下記からお問い合わせください。

ご依頼・お問い合わせ

※得意分野や業務内容などについては、こちらの「編集・ライター」のページをご覧ください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。では、よいお年をお迎えください。

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【ライターの仕事】女子鉄応援マガジン『別冊山と溪谷 TRE TRIP』創刊号

インプレスグループで『旅と鉄道』を発行している天夢人から新雑誌が創刊。TRE TRIP=トレトリップと呼ぶそうです。

旅行が大好きで、日頃のストレスから解放される旅に出たいと思っている女性がターゲット。
鉄道旅行はしてみたいけど、あんまり詳しくないなという方にも分かりやすい、女子鉄初心者向けの案内も充実しています。

思いっきりオジサンの私も、女子の気分でちょっとだけお手伝いさせていただきました(笑)。

ちなみに知り合いの担当編集者に、「金沢で珍しいおすすめのおみやげない?」って聞かれて、うちの豆本の話をしたら、大いにうけて、ついでにのっけてもらっちゃいましたよ。

本日9月19日発売です!
お求めはお近くの書店か、下記のAmazonでどうぞ。
http://amzn.asia/d/aS1eijo

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【食文化コラム】食の方言 金沢うどん編

その土地では当たり前のもので、地元の人は全国区のことだと思っていても、実はその地域以外ではほとんど知られていないものがたくさんあります。

料理の場合、同じものでも地方地方で呼び名が違ったり、あるいは同じ呼び名でも出てくるものが全く違ったりすることもしばしば。少し前にブームとなったB級グルメもこの範疇で、これを「食の方言」とも言ったりします。

個性的な食文化が多い金沢では、あまり注目されていませんが、際立つ存在として、一風変わった「うどん」の呼び名があります。

刻んだ油揚げとネギをトッピングしたうどんを「いなりうどん」と呼びます。油揚げをのせたうどんといえば全国区では「きつねうどん」ですね。金沢でも店によっては刻んでいない油揚げをのせて出しますが、あくまでも「いなりうどん」と呼びます。

さらに刻んだ油揚げとネギをあんかけにしたものは「たぬきうどん」となります。

「たぬき」といえば、関東では天かすをトッピングしたうどん(関西でははいからうどん)を指しますよね。ちなみに、マルちゃんでは「たぬき」といえば天ぷらがのったそばです。

金沢人はもちろん、これが全国区だと思っていました。

でも、そもそも刻んだ油揚げとネギをトッピングしたうどんや、さらにそれをあんかけしたうどんなんて他で食べられているのか? 調べてみたら、面白いことに京都にも同じものがあることがわかりました。

ただし、京都では「いなりうどん」ではなく、「きつねうどん」(きざみきつねとも)と呼ぶそうです(「たぬきうどん」は金沢と同じ)。

なぜ、うどんに関して、これだけ京都と金沢が類似しているのか、興味深いですよね。

でも、旅先でこういったその土地でしか通じない、符牒のような料理名に出会うと、ちょっと嬉しくなります。このような文化も大切にしていきたいです。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
*取材・編集のご依頼はこちら
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【ライターの仕事】旅の手帖8月号

旅の手帖8月号が届きました。

連日のうだるような暑さを少しだけ忘れさせてくれそうな清涼感一杯の表紙がGood!

今号の第一特集は「伝統の避暑地へ」。ニッポンの避暑地を丹念に掘り下げています。観光立国、インバウンドと、外国人の誘客を推進する時に、古くから外国人を魅了してやまない、伝統の避暑地の魅力を見つめ直してみるのはとっても大切。そういった意味でも大いに参考となる特集ですね。
旅ってレジャーですけど、文化でもあると思うんですよね。旅行雑誌じゃないとできない特集ですね。

そして、第二特集は「今こそ民宿!」。
「いまさら民宿?」って思う方もいるかもしれませんが、今どきの民宿はいろんな意味でホントすごいんですよ。

私は今号では、この第二特集で氷見の民宿に取材に行きました。料理も設備も最高ですが、個人的には個性的なオーナー一家に惹かれました。この家族のファンも多いというのも納得です。民宿ってやっぱりこの宿の人との絶妙な距離感がいいんですよね。

もう一つ、この特集の「今泊まりたい民宿ガイド」のページも取材担当しました。全国の民宿に電話をかけて話を聞いてまわる、わりかし地道な作業の連続でしたが、机上で全国を旅してまわった気分も味わえました。実はこういう作業、嫌いじゃなくって、パンパンに情報を盛り込みました。
おそらく、この号で一番情報量の多い見開きページだと自負しています。
とっておきの民宿がいっぱい出ていますよ。

ちなみに、表4広告には大好きな宇多田ヒカルちゃんも載っているのも、Good!
全国の書店で発売中です。

旅の手帖――交通新聞社
http://www.kotsu.co.jp/magazine/tabi/

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【ライターの仕事】 旅の手帖6月号

5月10日発売の『旅の手帖6月号』から、いよいよ本格的なライターの仕事が始まりました。

第一特集の「明治を旅する」で福井、第二特集「地図を歩く」では金沢と、それぞれの取材・文・撮影をしました。

近代日本を築いた志士たちゆかりの場所を訪ねました(2P)。

金沢の観光ボランティアガイド「まいどさん」と東山界隈で古地図めぐりを(3P+1P)。

私の記事ももちろんですが、今号の『旅の手帖』は、歴史好きにはたまらないラインナップです。

詳しくは下記の公式サイトをご覧ください
旅の手帖 2018年6月号――交通新聞社

『旅の手帖』に本格的な取材原稿が載るのは、四半世紀ぶりかな。
一番思い出深い雑誌から、再スタートできてうれしい限り。

こうやって、全国誌にすこしずつでも北陸の紹介が載れば嬉しい限り。今回みたいにカメラマンとライターを一人でこなすのはなかなか大変ですけど、自分にできることは何でもやりたいので、これからも精いっぱいがんばります。

北陸地方の取材でお困りでしたら、ぜひお気軽にお声がけください。
ライターだけ、カメラマンだけの仕事も歓迎です。

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【北陸観光】江戸から明治、北前船で栄華を極めた三国湊

日本の近代化に大いに貢献した北前船

明治の中頃まで日本の大動脈として活躍した北前船。その寄港地は大いに繁栄し、各地に巨万の富をもたらしました。北前船は単に物資を運んだだけでなく、船主自らが商人となり、積み荷の売買を行う「買積船」でした。ひと航海で倍の利益が出ることから、「バイセン」とも呼ばれたそうです。
上方や瀬戸内、北陸からは衣料や米、味噌、醤油、油、建材などが、一方、蝦夷地(北海道)からは肥料(鰊や干鰯など)や食料(身欠き鰊、干鱈、昆布など)などが運ばれてきました。北前船がもたらした莫大な富は、港の整備や潟の干拓、さらには地域の教育環境の整備など、社会基盤作りにも使われ、そして商才を磨いた船主たちは明治以降、その財を銀行、保険、運輸など、さまざまな分野に投資し、日本経済の発展に寄与していきます。

明治時代、繁栄を極めた三国湊

前置きが長くなりましたが、そんな北前船寄港地の中でも、往時の面影を今も色濃く残す福井県坂井市三国湊を旅してきました。白山山系より流れ出る九頭竜川の河口にあり、北前船や内陸部との水運の一大集積地であった三国町は、江戸中期から明治中頃にかけて繁栄を極めました。
町の中心部には格子窓の古い町並みが見事に残っており、足を踏み入れればタイムスリップしたような錯覚に陥ります。三國湊座や旧森田銀行本店、旧岸名家、出村遊郭街など、古い佇まいを残す家々からは、往時の賑わいぶりがありありと想像できます。

ところで、ここ三国の名物には昔ながらの製法で作られる「酒まんじゅう」があります。町内にはいくつかの製造元がありますが、この製法を伝えたのも北前船とする説があります。北前船は物資だけでなく、さまざまな文化も全国から運んできました。

三国の食といえば、冬の「越前がに」がつとに有名。沖合近くに最高の漁場があることから、同じ「越前がに」でも三国港産は極上との呼び声が高いです。そしてもう一つ、隠れた名物として挙げられるのが「おろしそば」。県内各地で食べられるおろしそばとは少し違っていて、そばの上に大根おろしがのっておらず、しかも一口食べるとその辛さに驚かされます。このあたりのおろしそばは、大根おろしをのせるのではなく、辛味大根の絞り汁とダシを合わせたツユをかけて食べるのが習わし。ひたすら辛くも、県内産の風味の強いそば粉で打ったコシの強いそばは辛いツユに負けておらず、パンチが強くおいしいそばです。

北前船の財力が町の基盤づくりに

さらに、三国港を見渡す丘の上に建つ「みくに龍翔館」へと向かいます。この建物は、三国湊が最も栄えた明治12年(1879)にオランダ人技術者、エッセルによってデザインされた小学校を模して復元したもの。館内には北前船に関する資料も多く展示され、展望ベランダに立つと白山から日本海までの360度の眺望が楽しめます。

日暮れが近づくころ、九頭竜川の河口にあるサンセットビーチへ。沖合まで延々と竜のように伸びる突堤は、エッセルが設計し、同じくオランダ人技師のデ・レーケが工事を指揮し、明治15年(1882)に完成した日本初の西洋式捨石防波堤。築後100年以上経った今も現役で国指定重要文化財です。地元商人も工事費を一部負担し、官民一体となって行った事業でした。

北前船の影響をそこかしこで見ることができる三国町。福井県を代表する景勝地・東尋坊もすぐ近くにあります。ぜひ、あわせて訪ねてみてはいかがでしょうか。

参考:北陸の歴史 ニッポンを運んだ北前船――「北陸物語」(北陸経済連合会)
三国湊レトロ――福井県坂井市観光ガイド

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーランスで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
*取材・編集のご依頼はこちら
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晴れて個人事業主となりました

四季折々に美しい北陸ですが、木々が芽吹きはじめ、「山笑う」という季語がぴたりとくる今日この頃の里山の風景が特に好きです。

この時期になると毎年通う「平栗」に先日行ってきました。カタクリの花は見ごろを過ぎていましたが、それでも可憐な赤紫色の花はまだまだ見ることができました。カタクリは頭上の木々の葉が生い茂ると地上での活動を休止してしまう、スプリングエフェメラルと呼ばれる植物の代表です。

スプリングエフェメラルには植物だけでなく、昆虫(蝶)もいます。カタクリの花の上を、春の日差しを浴び、うれし気に飛び回るギフチョウもこの時期しか見られない蝶。ここ平栗は観察スポットとして知られるようになり、最近はかなり遠方からも、わざわざ見ににやってくる人がいます。

ギフチョウは花に留まっている写真をよく見ますが、花の上をひらひら舞う姿がもっとも美しいと思います。その姿をカメラに収めたい! 毎年そう思っては挑戦しますが、すばしっこいこの蝶を捕らえるのは至難の業。今年も納得いくものは撮れませんでしたが、昨年よりは少し進歩したかな(笑)。どこに蝶が写っているかわかります?

さて、本日、税務署に個人事業主の開業申請をしてきました。これで社会的にも個人事業主となるのかな? 勢いあまって、青色申告をする宣言までしてしまったけど、大丈夫か??

ちなみに。屋号を届けることもできるので、「編集工房わかい」にしました。ライター・編集部門はこの屋号が正式となりますけど、「豆本工房わかい」の傘下であることに変わりありません。

皆さん、末永くよろしくお願いします。

写真と文〇若井 憲

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【金沢観光】金沢 男と女のお花見事情

今年の桜前線は猛スピードで走り抜けて行っちゃいましたね。

金沢のお花見スポットを丹念に撮影しようと思っていたのに。ちゃんと撮影できたのは、犀川と浅野川だけでした。
犀川は別名「男川」、浅野川は「女川」とも呼ばれていますね。

さて、桜の季節になると、桜をテーマにした曲が聞きたくなる人も多いでしょう。ラジオやテレビでもそんな特集を必ずしていますよね。
いろいろ思い浮かびますが、福山雅治の「桜坂」は定番中の定番ではないでしょうか。
曲のモデルとなった坂は、東京都大田区にあるそうですが、
金沢にも桜坂があるのをご存知でしょうか?

犀川にかかる桜橋の左岸にその坂があり、江戸時代、坂の上にたくさんの桜が植えられていたことがその名前の由来だそうです。
坂の途中からは、犀川河畔の桜並木を上から見下ろすことができ、なかなかの絶景でした。

 

観光客でにぎわう浅野川とは対照的に、犀川の方は近所の人たちが桜を眺めながらジョギングや散歩するなど、市民の憩いの場という色合いが濃い気がします。

桜坂から少し上流に向かった犀川緑地公園は、土手沿いに見事な桜並木があって、見ごたえがあります。

一方の浅野川。

ちょっとマイナーですし古いですが、見知らぬまちの桜吹雪を歌ったユーミンの「花紀行」って曲、ご存知でしょうか? これ、実は浅野川の桜吹雪がモチーフなんですよ。

ちょっとアンニュイな感じで、大好きな曲。それが浅野川だと知ったのはつい最近のこと。歌詞の「見知らぬまち」が金沢だったとはびっくりです。

まあ、確かに新幹線が開業する前の、今ほど観光客がいなかった頃の金沢には、「見知らぬまち」ってイメージがありましたね。個人的には、あんまりあか抜けないで、「見知らぬまち」のイメージも大切にしてほしいと思います。

両方の桜を見くらべると、男川(犀川)の方が豪快で、女川(浅野川)の方が繊細な気もしますが、名前の先入観かな。でも、どっちも美しかった。

あっという間に咲いてあっという間に葉桜となってしまいましたが、もうちょっと楽しませて欲しかったですね。

2018年4月8日/(写真と文)若井 憲○フリーライター
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