【フォトライターの仕事】『旅の手帖』能登の連載、ついに最終回!

月刊『旅の手帖』で、2024年5月号から、途中リニューアルを経て、15ヶ月にわたって続けて来た能登の連載は、6月10日発売の7月号で一区切りとなりました。

ちなみに、人気がなくて連載が打ち切りになるのではなく、読者アンケートでは常に上位となる人気ぶり。ただ、そろそろ次のステップにということで、今後は、不定期で「ご当地いま推し!」などで、能登の情報を発信していくそうです。

今までこの連載にお力添えをくださったたくさんの皆さんに、心から御礼を申し上げます。

地震で約3メートルも隆起し、さらに昨年9月の豪雨災害では後ろの山が崩れて塩田を覆った

さて、連載の最終回に選んだのは、珠洲市にある「道の駅 すず塩田村」です。地震と豪雨のダブルパンチを受け、奥能登の中でも復旧が遅れている場所で、ようやく再開できたところです。

揚げ浜式塩田で採れた塩を久しぶりにちゃんと味わいましたが、ここの塩は塩なのに後味に甘さを感じるんですよね。顕微鏡で見ると、結晶がミルフィーユのような層状になっていて、そのためだとか。

かん水を釜で炊く釜屋。煙突はなく、屋内に煙が満ちる

塩田でできた「かん水」を、釜で炊いて塩を作ります。その時に使う薪は、廃材などは使わず、里山から伐り出してきた杉と松を使い分けているとか。塩を炊く釜屋内は薪の煙が立ち込め、「廃材を使うと何がついているか分からず、口に入るものを作っているからには使いたくない」という、先代の浜士からのこだわりを今も守り抜いているそうです。里山の木を使うことで、里山の環境も維持されています。「500年続いたものを自分たちの代で終わらせることなく、次世代へ引き継ぐ責任がある」と話す駅長の言葉が心に響きました。

すず塩田村の塩は結晶が層状に

塩田という存在に、改めて強い関心を抱いた今回の取材でした。また機会があれば、もっと詳しく塩田のことを紹介したいなと思っています。

そう言えば、この連載では能登の塩を2回取り上げましたね。最初に紹介した能登島の塩は、海水をギューっと圧縮したような、海の味がする塩で、すず塩田村のものとは、同じ塩でもかなり味が違い、それぞれに良さがあります。我が家では、この2種類の塩を普段使いしていまして、塩に関しては、かなりの贅沢をしているかなと思っています。

これからの能登にはいろいろな形で関わらせていただくつもりですので、引き続きよろしくお願いいたします。

*連載記事は数ヶ月遅れになりますが、旅の手帖WEBでも読むことができます。

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