祝! 北陸新幹線敦賀開業 福井の桜名所 〜人気スポットから穴場まで、2024年のお花見〜

敦賀駅まで延伸した北陸新幹線に乗って福井の桜を見に行こう!
長年、旅行雑誌やWEBで北陸の桜を紹介している
金沢在住のフォトライターが、
福井県内の桜の中から、撮り下ろした
おすすめしたい31カ所をピックアップしました。
今年のお花見はどこへ行こうか? という時に、参考になれば嬉しいです!

【嶺北】

足羽川桜並木(福井市)

足羽川の堤防上に続く、全長約2.2km、600本の桜が続く桜並木は、幹回りの大きなソメイヨシノが多いため、「スケール感で日本一」ともいわれる。福井県で最もポピュラーなお花見スポットであり、そばの足羽山公園とあわせ、日本さくら名所100選に選ばれている。見ごろにあわせて夜間ライトアップが実施され、大いに賑わう。河川敷には露店や川床風の「桜床」も登場する。昭和27年(1952)に開催された「福井復興博覧会」を機に植樹されたもので、復興への思いが込められた桜は、市民らに大切に守られている。
見頃:4月上旬

足羽神社のしだれ桜(福井市)

足羽神社のしだれ桜は樹齢約380年という巨木で、形が整ったドーム型をしている。夜はライトアップされ、暗闇に妖艶な姿が浮かび上がり、幻想的。このしだれ桜をはじめ、足羽山公園は足羽川桜並木とともに、日本さくら名所100選の一つに選ばれている。
見頃:4月上旬

福井城址(福井市)

福井城は家康の次男・結城秀康が入城するために築かれた城で、その本丸と二の丸を設計したのは徳川家康だといわれている。笏谷石の石垣に淡いピンクの桜が映える桜の名所で、開花にあわせて夜はライトアップされ、お堀の水面に桜が映れば、神秘的な美しさ。足羽川桜並木に比べると、花見に訪れる人はやや少なく、静かに花見をするならこちらがおすすめ。福井駅からも近いので、列車の待ち時間とかにちょっと寄ってみるのもあり。
見頃:4月上旬

足羽山 愛宕坂(福井市)

足羽山全体には約3500本の桜があり、足羽川桜並木とともに日本さくら名所100選に選ばれている。足羽山への登山道として開かれた道で、笏谷石の145段の階段が165メートル続く。春と秋には「灯の回廊」が開催され、夜は行灯が点って幻想的。坂の途中を少し入ったところにはライトアップされた桜の木がある。坂を登ったところには愛宕坂の展望台があり、さらに進めば足羽神社がある。
見頃:4月上旬

さくら通り(福井市)

福井市の中心部を東西に走るこの通りは、両側に桜並木が延々と続き、春は桜の花に包まれる。福井市立順化小学校近くの歩道橋からの眺め(写真)がおすすめ。ソメイヨシノの他、八重桜も植えられ、長い間、花見が楽しめる。
見頃:4月上旬

味真野小学校 校庭の桜(越前市)

校庭の桜と聞くと、校庭の隅っこに植えられた桜をイメージされると思うが、ここでは校庭のど真ん中に大きなエドヒガンが1本植っていて、そんな概念を根底から気持ちいいくらいに覆してくれる。推定樹齢140年以上と言われ、樹齢1,000年を超えるものもあるエドヒガンとしては、立派に見えてもまだ若木なのだとか。この桜はこれから先も何百年と、校庭のど真ん中から子どもたちの成長を見守ってくれることだろう。
見頃:4月上旬

花筐公園(越前市)

世阿弥の謡曲「花筐」の舞台として知られる花筐公園(かきょうこうえん)。ここでは約1,000本の桜が咲き誇る。茅葺きの古民家と桜、桜の花越しに眺める町のいらかの波、桜の木の下に広がるカタクリの花など、里山で長閑なお花見気分が味わえる。公園内には福井県天然記念物の淡墨桜がある。
見頃:4月上旬

吉野瀬川(越前市)

吉野瀬川の太田橋から野上橋の間、両岸から枝を伸ばす見事な桜並木。桜の木の密集度が半端ない。
見頃:4月上旬

陶の谷駅跡(丹生郡越前町)

かつてここを走っていた福井鉄道鯖浦線の駅の跡。レールの一部とプラットフォーム、駅名標に往時の面影が漂う。長閑な田園風景を背景に枝ぶりの良い桜が花開く。すぐ近くの法華寺の枝垂れ桜とあわせて訪ねたい。
見頃:見頃:4月上旬〜中旬

法華寺 しだれ桜(丹生郡越前町)

越前町蝉口の法華寺に、樹齢約100年の立派な枝垂れ桜がある。毎年春になると見事な花をつけ、近くの陶の谷駅跡ともに越前町代表する桜名所に。
見頃:4月上旬〜中旬

越前陶芸村・陶芸公園(丹生郡越前町)

しだれ桜やソメイヨシノ、八重桜などが植わり、桜の遊歩道に囲まれた芝生の広場など、広い園内ではお花見ピクニックが楽しい。敷地内には桜の岡本太郎やイサム・ノグチなど、日本を代表する作家のアート作品が置かれ、花見とアート鑑賞が同時にできる。4月中旬には「越前陶芸村しだれ桜まつり」が開催され、全国のクラフト作家が出展する。
見頃:4月上旬〜中旬

切妻屋根群(丹生郡越前町)

農林水産省の「美しい日本のむら景観百選」や福井県の「福井ふるさと百景」にも選定された伝統的な切妻屋根の民家が立ち並ぶ集落。高い台にある宮崎小学校からは、桜並木越しにそんな美しい集落を一望できる。
見頃:4月上旬〜中旬

西山公園(鯖江市)

西山公園といえば、初夏のツツジと園内にある動物園のレッサーパンダが有名。しかし、約1,000本という桜の木があり、園内が華やぐ。なかでもすり鉢状になったお祭り広場の立体的に桜の木が広がる様子は圧巻。
見頃:4月上旬〜中旬

日野川(鯖江市)

西山公園のそばを流れる日野川では、桜並木と菜の花の競演を見ることができる。
見頃:4月上旬〜中旬

えちぜん鉄道永平寺口駅前(永平寺町)

えちぜん鉄道永平寺口駅前には大正時代に建てられた「旧京都電燈古市変電所」(国の登録有形文化財)があり、重厚な赤レンガ造りの建物を背景にして咲く、なかなか立派なソメイヨシノが4本。かつてここにあった幼稚園の園庭にあった桜がそのまま残っている。
見頃:4月上旬

熊野神社(永平寺町)

永平寺口駅から志比堺駅方面へ歩いて5分ほど、小高い丘の上に鎮座する熊野神社の斜面が桜に覆われ、その脇を走るえちぜん鉄道の電車と桜をカメラに収めることができる。
見頃:4月上旬

保田駅(永平寺町)

えちぜん鉄道保田駅の勝山方面には線路脇に桜並木があり、桜と残雪の雪山、ローカル電車を一度にカメラに収めることができる。
見頃:4月上旬

霞ヶ城公園(坂井市)

小高い丘に建つ丸岡城は別名・霞ヶ城と呼ばれ、天守(国指定重要文化財)は、江戸時代以前に建てられた日本に12しか残っていない「現存天守」の1つ。天守の規模はあまり大きくないが、威風堂々とした佇まいは、訪れた人を魅了してやまない。この丘一帯は、霞ヶ城公園と呼ばれ、約400本のソメイヨシノが植えられている。夜はライトアップされて、天守を包むかのように咲き乱れる姿は圧巻。例年、ふもとには露店が並び、花見客で賑わう。日本さくら名所100選にも選定されている。
見頃:4月上旬

竹田の里 しだれ桜(坂井市)

坂井市の山間部にある竹田の里。あたり一帯には700本ものしだれ桜があり、なかでも「たけくらべ広場」は、100本ほどのしだれ桜が咲き競い、まるで桃源郷のよう。普段は静かな山里だが、桜の時期は多くの花見客で賑わう。見ごろに合わせて「竹田の里しだれ桜まつり」が開催され、なかでもその期間中に行われるライトアップはおすすめ。暗闇に浮かび上がる桜の花の帯は、妖艶なムードが漂い、思わず息をのむ美しさ。
見頃:4月下旬

女形谷のサクラ(坂井市)

樹齢400年ともいわれる県下有数のエドヒガンの老樹で、福井県指定天然記念物。
見頃:4月上旬

あらた坂《山室の桜並木》(あわら市)

アニメ『ちはやふる』に登場する桜並木のモデルといわれる並木道。
見頃:4月上旬

【嶺南】

金崎宮(敦賀市)

金崎宮には境内に約400本のソメイヨシノがあり、桜の咲く時期には、願いを込めた桜の小枝を交換する神事「花換まつり」が行われる。もともと金崎宮へ桜見物に訪れた人々が「花換えましょう」と声をかけあい、桜の小枝を交換することで思いを伝えたのが始まりといわれる。
見頃:4月上旬

粟野駅周辺(敦賀市)

JR小浜線のこの駅には、線路脇に数本の桜があり、桜と電車を一緒にカメラに収めることができる。また、駅前には本数は少ないが枝ぶりのいい大きな桜が小さな並木をつくっていて、桜の間からは集落を見下ろすことができる。
見頃:4月上旬

神子の山桜(三方上中郡若狭町)

若狭湾の常神半島にあり、江戸時代に開墾された油桐畑の境に植えられたヤマザクラが、長い年月を経て斜面一帯に増えたもの。ヤマザクラの薄いピンクと芽吹いたばかりの周囲の木々の萌黄色、針葉樹の濃い緑とが重なって、まるでパッチワークのように。海の青と相まって、唯一無二の絶景が広がっている。県指定名勝に指定され、神子の東西約1km、南北200mの区域に広がり、その本数は約300本。数の多さに地元の人は「千本桜」とも呼ぶ。
見頃:3月下旬〜4月上旬

水月湖畔(三方上中郡若狭町)

ラムサール条約に登録された三方五湖の中で一番大きい水月湖。海水と淡水が混ざる汽水湖で、湖底には7万年以上もの歳月の堆積物が年輪のように積み重なった「年縞」があり、奇跡の湖とも言われる。この年縞は、地質学的年代決定での世界標準になっている。水月湖の湖畔に沿って続く県道216号線には桜並木があり、桜の花と湖水とのコントラストが美しい。対岸の山肌は、自然に広がったヤマザクラだろうか、ピンクの水玉模様になっているのも印象的。菜の花と桜のコラボはよくあるが、ハマダイコンと桜というちょっと珍しいコラボも。
見頃:4月上旬

三方五湖レインボーライン(三方上中郡若狭町)

無料化された三方五湖レインボーラインからは、点在する桜の木が水玉模様のようになった山々や岬、湖水の色がそれぞれ違う三方五湖、そして若狭湾の海を俯瞰して見ることができる。
見頃:4月上旬

【奥越】

勝山弁天桜(勝山市)

一目千本とも呼ばれる奥越の桜名所。九頭竜川の右岸には約1.5km、450本のソメイヨシノが続く。川に掛けられたたくさんの鯉のぼりや、残雪の山々との共演はとても絵になる。この桜は「桜の名所にしよう」と、昭和初期に地域の世話役をしていた人が、私財を投じて桜の苗木を購入したり、自分の畑で苗木を育てたりして、現在のベースを作り、今は地元住民たちによって大切に守られている。福井市の足羽川桜並木より数日遅れて見頃を迎える。
見頃:4月上旬〜中旬

花月楼のしだれ桜(勝山市) 

国の登録有形文化財「旧料亭花月楼」をリノベーションした「旬菜食祭 花月楼」の玄関先には樹齢100年以上の見事なしだれ桜がある。
見頃:4月上旬〜中旬

勝山駅(勝山市) 

駅舎が国の登録有形文化財に登録されるえちぜん鉄道勝山駅。駅の手前、線路脇に1本の桜の木があり、車窓を彩る。
見頃:4月上旬〜中旬

亀山公園(大野市) 

天空の城としても有名な大野城がある。山頂付近からは眺めがいい。
見頃:4月中旬

九頭龍湖(大野市)

大野市の山間部にある九頭竜湖。紅葉の名所として有名だが、その湖畔にはたくさんのソメイヨシノやヤマザクラ、ヤエザクラなどが植栽され、湖を背景に咲く花は楚々として美しく、桜の名所としても知られる。見ごろが遅いのも特徴で、平地ではとっくに花が散ってしまったGW頃に開花の便りが届く。「花見気分をもう少し味わいたい!」と思っている人には、この上ない。
見頃:4月下旬

※掲載は順不同
※写真の無許可転載はご遠慮ください(有償で貸し出しします)

◉Coming soonの桜(近々撮影に行く候補)

・妙祐寺のしだれ桜(小浜市)
・小浜公園(小浜市)
・明通寺(小浜市)
・神宮寺(小浜市)
・名田庄の桜並木(おおい町)
・丸山公園の桜(おおい町)
・佐分利街道の桜(おおい町)
・城山公園・明鏡洞(高浜町)
・越前岬水仙ランド(越前町)
・レインボーパーク南条(南越前町)
・芦山公園(越前市)
・鮎街道の桜(永平寺町)
・興行寺のしだれ桜(永平寺町)
・一乗谷朝倉氏遺跡(福井市)
・福井総合グリーンセンター(坂井市)
・矢ばなの里(大野市)
・カドハラスキー場跡地(大野市)

筆者が書いた「北陸の桜」の記事は他にもあります。

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写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
*取材・編集のご依頼はこちら
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