日本海をバックに咲くオニユリ

石川県白山市の松任C.C.Zから金沢方面へと向かう「しおさいロード」。その途中、白山市八田町の保安林内にはオニユリの群生地があります。一時は絶滅の危機にあったそうですが、地元の方々の手入れによって、毎年1万5000本もの花が咲くまでになったとか。

例年7月下旬から8月上旬が見ごろですが、今年は少し早いのか、7月22日に訪れたら、すでにしおれかけている花もチラホラ。それでまだつぼみも多く、もうしばらくは花が楽しめそうです。

実は、ここ、今までに3回訪れていますが、今回、一番花がたくさん咲いていました。特に海岸に面した砂丘地の斜面が多く咲いていますので、海岸から眺めるのがおすすめ。ちなみに、砂浜に降りたら暑いかなと思いきや、海風が心地よく、保安林の中よりもむしろ涼しく感じました。

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金沢を代表する観光名所の兼六園をマニアックに攻めてみよう【第3回 徽軫灯籠編】

「徽軫灯籠」と書いて、「ことじとうろう」って読みます。
兼六園と言えば、真っ先に思い浮かべるのがこの灯籠ではないでしょうか。

兼六園を代表する景観。奥に見える建物は内橋亭

「徽軫」は「琴柱」とほぼ同じ意味で、つまりこの灯籠の形が、琴の絃(いと)を支える琴柱に似ているからこの名前がついたそうです。でもなんで難しい漢字を使うのか? その理由は調べても分かりませんでした。

この灯籠、江戸時代の絵図を見ると、脚の長さは左右で同じでした。しかし、明治時代になんらかの理由によって片方の脚が折れ、その後、短い方の脚を石の上に載せてみたら、その絶妙なアンバランスさがむしろ美しく、兼六園のシンボルとなったんだとか。

冬、新雪が積もった朝はひときわ美しい
徽軫灯籠付近ではサギが獲物を探すことが多く、運が良ければこんなカットも
唐崎松越しに見るとこんな感じ。虹橋の上は言わずと知れた撮影スポット

なぜ脚が折れたのか? 通説では、誰でもが入れるようになったため、何者かが壊したとも。実はその時に限らず、この灯籠は今までに何度も倒されたり、壊されたりしたことがあって、現在の灯籠は2代目なのです。そんな波瀾万丈な過去を秘めているとは、知らない人も多いかもしれません。

4月上旬、桜と徽軫灯籠
雪の晴れ間に木々の葉から落ちる雪を入れて撮影
冬のライトアップ。雪吊りされた唐崎松とのコラボが美しい

ちなみに、徽軫灯籠の脇で、彩りを添えているイロハモミジは、2021年に枯れてしまい、2022年に後継の木に植え替えられました。元の木の樹齢は推定120年で、植え替えられた今の木の樹齢は10〜15年ほど。まだまだひよっこですが、少しずつこの風景に馴染み、風格も出てきました。

右の太い幹が先代のイロハモミジ
先代のイロハモミジの紅葉。兼六園の秋を象徴する景観
徽軫灯籠の後ろの若木が今のイロハモミジ
新緑のイロハモミジとツツジの花。イロハモミジもだいぶ風格が出てきた
写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーランスで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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【フォトライターの仕事】『旅の手帖』7月号の特集で青春18きっぷを使った「北陸清流紀行」を紹介しました

『旅の手帖』(交通新聞社刊)がリニューアルされ、3号目となる7月号では、夏の恒例「青春18きっぷ」を大特集しています。

「青春18」と言っても、私のような青春を遠に過ぎたアラ還のオジサンでも問題なく使えます。この夏は、のんびりローカル線の旅を楽しみませんか?

ちなみに私は、「北陸清流紀行」6ページを担当しました。いつものようにライターとカメラマンをひとりで兼務するフォトライターで参加。
取材は敦賀から飛騨高山まで、越美北線や氷見線といった枝線のローカル線もあり、結構ハードでしたが、それでもしっかり楽しんできました。実はこういうハードな取材、嫌いじゃない。

北陸と飛騨の清流に関する話題は、ぜひ誌面をみていただければと思いますので、ここではそれ以外のこぼれ話をいくつか。

今回の旅のスタート、敦賀駅周辺は、来年の春の北陸新幹線開業を控えて、新しいものがたくさんできています。個人的には写真の「ちえなみき」という本屋さん。本好きにはたまらない店内は1日でもいられそう。

一乗谷朝倉氏遺跡は、歴史に詳しくないとなかなかその魅力を理解しにくかったんですが、新しくできた「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」と一緒に訪ねると、それが気持ちいいくらいによくわかるようになります。遺跡めぐりは博物館で電動アシストのレンタサイクルを借りるのがおすすめ。

大野市は町づくりの名手・金森長近がつくった城下町。町をぶらぶら歩くと、写真の謎のレンガ煙突がある建物など、いろいろ発見があって面白いです。越前大野駅などで散策マップを配布していますので、それを片手に歩いてみてください。

ふだんは乗客の少ない越美北線ですが、青春18きっぷのシーズンだけは、たくさんの乗客が。いつもこれだけの人が乗ってくれていれば、将来も安泰なんですけどね(写真は越前大野駅)。

こちらは、高岡駅から氷見駅へ向かう氷見線。景勝地・雨晴海岸付近では、海に近すぎで、車窓からはまるで遊覧船のような眺めが楽しめます(写真の島は女岩)。

雨晴駅近くにある「道の駅 雨晴」。まるで豪華客船を思わす白亜の建物が人気。人気すぎて、ハイシーズンは駐車場が満車となり、氷見線で来ることをすすめるほど。道の駅なのに・・・。

国宝「勝興寺」の最寄駅、伏木駅の郵便ポストにはこの方の小さな銅像が置かれています。
この方、どなたかわかりますか?
かつて、勝興寺のあった場所にあった国府に国司として赴任してきた大伴家持です。
万葉集を編纂した人として知られていますね。

一気に飛んで、岐阜県高山市の飛騨高山宮川朝市
飛騨高山の名物といえば、ラーメンと飛騨牛、五平餅、そしてこのみたらし団子。
みたらし団子って全国的には甘辛いタレがかけられていますが、高山のは甘くなく、香ばしい醤油の香りがたまりません。
でも、なんで甘くないのかな?と思ったら、「昔、都のみたらし団子を真似てつくったけど、高価な砂糖が使えず、醤油だけになったんじゃないかな」と朝市の方が仮説を披露してくださいました。

来年の春には敦賀駅〜金沢駅間はJRから第三セクター会社に移管されますので、青春18きっぷで夏の北陸を楽しむなら今年がチャンスです。
是非お出かけください。

それからもう一つ、巻頭の「ご当地いま推し!」では、大野市の半夏生さばも紹介しています。

書店で是非ご覧ください!

金沢を代表する観光名所の兼六園をマニアックに攻めてみよう【第2回 山崎山編】

「四季折々に美しいといわれる兼六園だけど、1番のおすすめ時期はいつ?」

実はこれ、よく訊かれる質問。

個人的には春夏秋冬、せめて1回ずつ訪ねて欲しいと、以下の記事に書きました。

【金沢観光】兼六園って、いつが一番おすすめ? 最低でも春夏秋冬、4回は訪ねて欲しい、季節によって全く表情が違う名園

でもまあ、旅行で訪れるとなるとそうもいかないのが現実ですね。

兼六園は、6つの兼ねることができない景観が同時に楽しめることからその名がついただけあって、いろいろな風景が楽しめますので、場所によっては、特にこの季節がおすすめ!というのがあります。

今回ピックアップする山崎山は、利用者の多い桂坂口や真弓坂口からですと、一番奥まった場所にあり、そのため、意外とここまで足を延ばさない人も多く、そもそもその存在自体を知らずに帰ってしまうということも。

個人的には、まるで深い山にいるような深閑とした山崎山の佇まいが特に好きなので、すごくもったいないなと思っていますし、ここに行くと、兼六園の印象もだいぶ変わるんじゃないでしょうか。

また、ちょっとうんちくめいたことを言わせてもらいますと、山崎山は金沢城を防衛するために造られた東外惣構の土塁跡といわれ、12代藩主の斉広が竹沢御殿を作った際、庭の築山に改修したものです。中腹にある「御室の塔」は京都の仁和寺の塔を模したもので、母親思いだった13代藩主の斉泰が、公家育ちの母・真龍院のために置いたそうです。

さて、おすすめの季節の話に戻しますと、山崎山はケヤキやカエデ、トチノキなどの落葉広葉樹が多く、別名で「紅葉山」ともいわれている通り、秋の紅葉が実に見事です。でも、春の新緑も生命の息吹を感じさせてくれるフレッシュさがあって、甲乙つけ難い魅力があります。山上には茅葺きのあずまやがありますので、春や秋に訪れたら、ゆったり時間をとってここでのんびりと美しい風景や木々を揺らす風に吹かれてみるのがおすすめです。

ちなみに、強い日差しを遮り、涼しさを感じられる夏も、モノトーンの世界となる冬も魅力的で、結局、春夏秋冬おすすめしたくなってしまいます(汗)。

山崎山の写真も四季折々、いっぱい撮っていますので、まずは写真で四季の変化をご覧ください。

(写真はクリックすると拡大できます《無断転載禁止》)

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写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーランスで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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金沢を代表する観光名所の兼六園をマニアックに攻めてみよう【第1回 噴水編】

北陸の城下町、石川県金沢を代表する観光スポットが兼六園。

加賀藩主の前田家が何代にもわたって作り上げた大名庭園で、庭園界の国宝に値する国の特別名勝に指定され、あのフランスの旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』では3星を獲得している、言わずと知れた日本を代表する名園なんです。

誰もが、金沢に行ったら一度は行ってみたいと思う観光名所ですが、とりあえず、1番の撮影スポットの徽軫灯籠(ことじとうろう)と一緒に記念写真を撮って、それで満足して帰ってしまう人が多いのではないでしょうか。これ、とってももったいないこと。

実は自他共に認める兼六園マニアの筆者は、「これを知ると兼六園に行きたくなる!」、そんなマニアックだけど面白い情報をお伝えしていきますね。

記念すべき第1回は「噴水」です。

見どころとして、存在はご存知の方も多いでしょうが、そのスゴさはあんまり知られていない様子。

先日も、この噴水の前で家族を連れたお父さん曰く、「この噴水は昔からあったものじゃなくて、最近作られてものじゃないの」と。

「いやいやお父さん、この噴水、実は江戸時代からあるもので、現存する日本最古の噴水って言われているんですよ」って、本当はただしたかったんですけど、いきなりそんなこと言ったら、「変な人」って思われるでしょうから、グッと我慢しました。

ちょっとうんちくめいたことを言わせてもらいますと、13代藩主・前田斉泰(なりやす)が金沢城二の丸に噴水を作るために、試作させたといわれているのがこの噴水で、日本庭園で噴水というのはとても珍しいものでした。その仕組みは、噴水の5メートル上にある霞ヶ池との高低差を利用していて、逆サイフォン構造(伏せ越し)により水を噴き出すもので、全く動力を使わない、自然エネルギー100%でサステイナブルなところも感心させられます。霞ヶ池の畔にはこの噴水の取水口も見ることができます。

ちなみに、この噴水の名前は? 単純に「噴水」のようですね。さすが日本最古。

この噴水にはなぜか惹かれる私。四季折々、いろいろな姿の噴水の写真を撮っているので、ぜひご覧ください。この噴水をこれだけ撮っている人ってなかなかいないだろうなーーって自負しています。フォトジェニックな兼六園の魅力を少しでも感じていただければ嬉しいです。

(写真は有償で貸し出しいたします。詳しくはお問い合わせください)

まれに、清掃などで霞ヶ池の水を抜くことがあり、その時はこの噴水の水も当然止まります。滅多にみられないそんなシーンも混ざっていますので、探してみてくださいね。

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【フォトライターの仕事】『旅の手帖』の巻頭連載「ご当地いま推し!」でライチョウを紹介

『旅の手帖』(交通新聞社刊)がリニューアルされて、全国各地に住むライターや編集者が、自分のところの旬のおすすめをご当地愛を込めて紹介する「ご当地いま推し!」という連載が始まりました。

6月号では「国の特別天然記念物 ライチョウに会いたいなら今!」という記事を書きました。
「なぜ、6月にライチョウか?」という疑問もあるかと思いますが、その答えはぜひ誌面を見て解決してくださいね。

徳川家康の特集も斬新な切り口で、ぐいぐい引っ張り込まれていきます。
歴史が少しでも好きな人は必読です。

制作サイドの視点から考えると、雑誌ってこういう展開ができるんだなって、改めて感じることができます。
デジタルではできない、紙媒体ならではの良さがあります。

我が家のニャンコも興味津々みたいww

現在は発売中です!

写真と文若井 憲 Ken Wakai
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【column】ゴールデンウィークの近江町市場に思う

5月5日に発生した奥能登・珠洲市を震源とした最大震度6強の地震には驚きました。
被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。そして、1日も早く日常が戻りますように。

さて、今年のゴールデンウィークは金沢も久しぶりに旅行者で大いに賑わいました。
5月4日に近江町市場に寄ってみましたが、ご覧の通りの人出で、思うように前に進めないような状況でした。ほとんどの飲食店には行列ができ、なかでも人気の店は目を疑うような大行列ができていました。
一金沢市民として、これだけたくさんの人が訪れてくれることは、大変光栄であり、喜ばしいことですが、一方で「このままでいいのか?」という複雑な思いもあります。

近江町市場では、飲食店や旅行者向けにその場で食べられるようなものを提供している店は大いに賑わっていましたが、地元の買い物客向けの青果店などは、ほとんどの客が素通りしていました。
もともと「金沢の台所」とも呼ぶこの市場は、「市民あってのもの」。そうやって市民が買い物に来る市場だからこそ、風情があって、旅行者にとっても旅情を味わえる存在となっています。

ゴールデンウィークの人出を見たら、普段買い物に来ている市民の中には、恐れをなして近づくのをやめた人も多いのではないでしょうか。もしかしたら、地元客向けの店の中には、むしろ普段よりも売り上げを落としているかもしれません。
京都では観光客が増えすぎて、市バスに地元の人が乗れなくなって困っているという話を聞きましたが、近江町市場で買い物ができない地元客にとっては、それに同じ状況と言えるかもしれません。

近江町市場は、北陸新幹線が金沢駅まで開業した年に、想定をはるかに超える旅行者が押し寄せて、大混乱となり、地元客離れが問題となりました。その後、「やはり地元客あっての近江町市場」ということを確認・遂行して、地元の買い物客も戻ってきていると聞きます。そんな中での今回の状況を見ると、やはり少し心配にもなってきます。

SDGs未来都市でもある金沢市は今、「金沢SDGsツーリズム」を推進しています。
これは、旅行者と住民が一緒になって、持続可能な金沢観光にしていこうというもの。
これからは、旅行者や観光事業者には「責任ある観光」とも言われるレスポンシブル・ツーリズムの考え方が求められるようになるでしょう。これは、金沢に限ったことではなく、京都や鎌倉などその土地ならでは魅力がある人気観光地はそのような流れになってくることと考えられます。

私はせっかくきてくださった方に対して公害呼ばわりするのは失礼甚だしいと思うので、「観光公害」という言葉は嫌いですが、別の言い方、つまり「オーバーツーリズム」をなんとかしない限り、持続可能な観光にはならないなと、近江町市場の人混みの中で痛感しました。
そして、魅力ある近江町市場を存続させるために、例えば私ができることは、まずは近江町市場以外の金沢の魅力的なスポットをどんどん紹介していくことかななんて思っています。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
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【フォトライターの仕事】リニューアルされた『旅の手帖』で、気持ちいい新緑の兼六園のことを紹介しました

『旅の手帖』(交通新聞社刊)が、この5月号からリニューアルされました!

平綴じの製本で高級感を増し、ロゴも表紙のデザインもワクワク感をふくらましてくれますね。そして誌面の展開も、今までとは大きく変わって、たくさんの情報を盛り込むことから、編集部や取材者が「面白い!」と思ったことを丁寧に伝える形が多いような気がします。

ページをめくると、いろんなテイストのページがあって、このカオスな感じ、紙の雑誌じゃないと出せないテイストですね。
昨今、ビジュアル重視で、テキストがほとんどない雑誌も増えていますが、『旅の手帖』はそんなんじゃなくって、取材者の思いがこもった、読んで追体験できるような文章にしっかりスペースをとっているのもいいです。
今の人は、文字を読まなくなった・・・ってよく言われますが、読まないんじゃなくって、読みたいと思わせるものが少ないからなんだということを教えてくれます。
ただ、記事を書く側で考えると、「すごくハードルが上がったかも?」って心配も。

新しい『旅の手帖』の巻頭には、雑誌にありがちな心地よい写真が並ぶグラビアじゃなく、全国各地に住むライターや編集者が、自分のところの旬のおすすめをご当地愛を込めて紹介する「ご当地いま推し!」という連載があります。
私はその一人として、「兼六園に行くなら5月が一番おすすめ!」という独断と偏見と兼六園愛に満ちた記事を書かせていただきました。

ぜひ『旅の手帖』5月号を実際にお手に取って、その記事は読んでいただきたいのですが、ここではせっかくなので、誌面では使っていない、新緑が美しい兼六園の写真をいくつか貼っておきますね。

5月が一番!と豪語しちゃいましたが、今年はほんと春の訪れが早いので、4月下旬にはベストな新緑シーズンがやってきちゃうかも。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
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【フォトライターの仕事】『旅と鉄道』3月号で飛騨古川を紹介しました

『旅と鉄道』2023年3月号(発行/天夢人・発売/山と溪谷社)で、「新型特急ひだで訪ねる 飛騨古川で日本酒三昧の旅」の4ページの取材・撮影・執筆を担当しました。

1月号の白川郷に続き、JR東海の新型特急ひだ関連の取材でした。
取材は12月下旬で、強烈な寒波が来襲し、北陸自動車道が通行止めになるほどの悪天候。

運悪く通行止めに閉じ込められて、「終わった〜〜」と覚悟しましたが、幸い1時間ほどの遅刻で、飛騨古川に到着できました。

次は、「春の号なのに、この雪景色・・・」という問題が。

こればっかりはどうしようもないし、このあたりは3月で普通に雪が積もるというので、開き直って雪景色の美しさを強調して撮影。それがかえってリアリティーのある構成になってよかったかなと思います。

飛騨古川駅を発車するHC85系

飛騨古川の取材は、2022年は2回目で、すっかりこの町のファンになってしまいました。
今年は取材ももちろん、プライベートでも行きたいなと思っています。

引退が決まったキハ85系の「ひだ」が見られるのもあとわずか

雑誌やwebの記事は取材に行かないで書くことが増えてきましたが、ビジュアルも記事の内容もどう頑張っても似たり寄ったりとなってしまいがち。
その点、実際に取材している記事は、やっぱりリアリティーもあるし、現地で拾った独自の情報が載せられたり、書き手が感じた思いなども反映できるので、絶対にいいですよね。

現地取材は、遠方からライターとカメラマンを派遣させると、どうしても経費がかさむため、ここを削減しようとする流れもあるかもしれません。
私なら、例えば飛騨高山や飛騨古川の取材なら日帰りでもOK(今回は宿の取材もあったため1泊しています)で、経費も1人分で済みます。ギャラは要相談ですが、ライターとカメラマンの2人に依頼するよりは確実に抑えられます。編集者の経験が長いため、誌面構成を考えながら撮影やインタビューを行い、編集者やクライアントの考えを丁寧にくみとった、クオリティーの高い記事を制作する自信があります。

対応エリアは全国どこでもOK! でも、私にご依頼いただくメリットが出せる場所は、北陸三県と、岐阜県の飛騨地方、長野県北部、新潟県上越地方、滋賀県湖北、京都府舞鶴周辺など、東京や関西からは比較的アプローチしにくい場所です。金沢はからは、逆に近いし、土地勘もあります。

経費は抑えたいけど、クオリティーは下げたくないなら、お気軽にご相談ください!

今年もお世話になりました!

今年もあとわずか。
個人的には激動の一年でした。

フォトライターとして認知されるようになって、取材仕事のすべてが撮影込みでいただけるようになったこと。
北陸三県以外に、長野県、滋賀県、京都府(海の京都)、岐阜県(飛騨地方)の取材依頼が増えたこと(得意エリアを増やすのが念願なので、願ったり叶ったり)。
撮影だけの仕事が入ってくるようになったこと(東京の有名なフォトエージェンシーから!)。
編集能力とSDGsの知識を買われて、観光地のSDGsプログラム開発や修学旅行生向けのプログラム開発など、今までとは違ったジャンルの仕事をいただけるようになったこと。
若手ライターや学生の育成に関われたこと。
などなど。

2022年に取材を担当した雑誌など(一部)

雑誌やウェブの取材記事も、まずまず順調に受注することができました。
ただ、2018年のフリーになった時に比べ、明らかに紙媒体の点数は減っています。
時代の流れなのかもしれませんが、ちょっと寂しい。
ドッコイ頑張っている紙媒体は、これからも全力で応援していきたい!

撮影機材の維持費を稼ぎ出すために始めたストックフォトも、最低レベルの目標クリアが見えるところまできました。
飛躍的に仕事が増えたとか、収入が増えたわけではありませんが、少しずつ目指していきたい方向にシフトできつつあるのは、うれしいこと。

12月には短納期の仕事を抱えて、右往左往していた中で、不覚にも新型コロナウィルスに罹患してしまうという失態もありましたが、それでも納期を守れたことは、変な自信にも(笑)。
来年は、フォトライターの仕事はもちろん、今までの経験を少しでも世の中に還元できるようなこと(ライターや観光など)も携わって行けたらいいなと思っています。

同世代からは定年退職やセカンドライフの話題を多く聞くような歳になりましたが、まだまだ伸び代があると実感できる仕事人生を歩んでいることは幸せなことだと思います。
これで、収入も増えてくれれば言うことないのですが(笑)。

今年もお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

では、良いお年をお迎えください。

(けん)