【ライターの仕事】『旅の手帖』5月号

『旅の手帖』2020年5月号

4月10日発売の『旅の手帖』5月号。
おっ! 表紙のデザインが変わりましたね。
第一特集は「アートにふれる旅」、第二特集は「ザ☆大阪」。

金沢21世紀美術館!

私は、「アートにふれる旅」で富山県美術館と金沢21世紀美術館のページを担当。
実は『旅の手帖』で金沢を取材するのはすごく久しぶり。
この表紙の特別扱いは、私はもちろん、金沢市民にとってもうれしいのではないでしょうか。

金沢21世紀美術館ができて、金沢のまちや金沢の観光がどう変わったかを、金沢21世紀美術館の黒澤副館長のインタビューで構成しています。
美術館を作ってまちづくりを変えたのが金沢。ぜひ、市民の皆さんにも読んで欲しい内容です。さらに金沢が好きになるハズです。
ちなみに、記事にした10倍くらいの話を黒澤さんにうかがいましたが、金沢21世紀美術館って、すごいんだなって今さらながら感心させられる話ばかりでした。しっかり成果が出て、それが目に見える事例ってなかなかありませんから、まちづくりに興味がある人に、広く聞かせたい話ばかりでした。

もう一つの記事がこちら。平成29年に誕生した富山県美術館。デザインを前面に持ってきた展示が興味深いです。特にポスターのコレクションは、懐かしいものにもいろいろ出合え、時間旅行も楽しめたりします。
あと、カフェのベーグルがおいしい!

ちなみに、『旅の手帖』ではアートを前面にした特集は初の試みだそうです。
特集では、ほかにも瀬戸内のアートな島めぐりや越後妻有、大町などのアートイベントの町と、十和田市現代美術館やハラ ミュージアム アークなど行ってみたい美術館の情報を満載。
これから現代アートをテーマに国内を旅してみたいと思っている方には、わかりやすい入門書としても重宝しそうです。
現代アートはとっつきにくいという印象がまだまだ強いみたいですが、そんなことは全くないということは、金沢21世紀美術館や富山県美術館に行ったことがある方なら、もうお分かりですよね。
ページをめくるごとに、「行ってみたい!」という気持ちが募ります。

新型コロナウィルス感染症の影響で、今はじっとおうちで我慢。収束後の旅行の予習や、読んだだけで旅行気分にも浸れるので、ぜひ、お読みくださいね!
*書店に行かずとも、Amazonでも購入可です。

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【ライターの仕事】2019年の総括

2019年もいよいよ押し迫ってきました。
今年一年、関わらせていただきました紙媒体の表紙を集めてみました(昨年もやりましたね。記事はここ)。
ここに挙げたのは一部ですが、昨年に比べるとだいぶ増えたかな。
旅行系が多いのは、自分が最も得意とするジャンルなので、願ったり叶ったり。
一冊あたりに関わるページ数も着実に増えてきたので、うれしい限り。

デジタルの仕事もいろいろさせていただきました。
主なものを挙げておきますね。

北陸経済連合会 北陸物語 ライター
金沢旅物語 特集ライティング 
かなざわ自由時間 特集ライティング
マガジンハウス「コロカル」 記事ライティング

コロカルで取材した富山のかまぼこはたくさんの「いいね!」をいただいた

2019年の前半はヒマでヒマでこの先どうしようかって思うこともありましたが(汗)、後半はおかげさまで忙しい日々を過ごすことができました。
原稿を書くのは早くなりましたし、取材の要領もだいぶよくなってきたかと(笑)。

北陸以外の取材も増えたのもよかったです。
ざっと数えて、岐阜県が2回、長野県が2回、新潟県と山形県にも1回行きました。

実は今も書かないといけない原稿がいくつかあって、正月休みはほとんどなさそうな感じではありますが、フリーはそんなもの。ヒマな時期を知っちゃうと、仕事がある方が落ち着きます。

でも、まだまだもっと仕事をしないといけないと思っています。
取材、ライティングはもちろん、撮影や企画、編集もできます。
「こんなテーマで特集するんだけど、北陸でいいところない?」という問いかけも大歓迎です(今年はそんな仕事も少しづつ増えてきました)。
ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にご連絡ください。

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今年一年、お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

では、良いお年をお迎えください。

新雪の
兼六園(昨シーズンの様子)
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【ライターの仕事】『旅の手帖』11月号「冬の北陸」特別企画を担当

『旅の手帖』11月号では、「北陸新幹線で行く冬の北陸」を担当しました。

『旅の手帖』11月号 今回は黄色い丸の中を担当!

いよいよ11月6日には、待ちに待ったズワイガニ漁が北陸で解禁となりますが、この特別企画では、ひと足先に解禁されている富山のベニズワイガニも含めて、北陸三県のブランドガニのおいしさに迫っています。

6ページにわたって紹介

記事を書いていた時は、ベニズワイガニも解禁前でしたので、カニカマを食べながら、昨年食べた蟹の味を思い出しつつ、がんばって書きました〜〜(笑)。

カニ以外にも、富山、石川、福井の冬に訪れたい観光スポットも紹介しています。
旅行でいらっしゃる方はもちろん、北陸にやってきた友人や知人を案内するときにもきっとお役に立つと思います。

ズワイガニ漁解禁直後で賑わう近江町市場の店先(写真は誌面のものとは違います)

11月はズワイガニ の解禁のほか、まちなかの紅葉も見頃を迎える、とってもいい時期なんですけど、台風19号の被害で北陸新幹線があんなことになってしまって・・・。
1日も早い復旧を祈っています!

『旅の手帖』最新号の詳細はこちら

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【金沢観光】今年の秋はどこで見る? 地元フォトライターがおすすめする紅葉名所

城下町・金沢の秋といえば、しっぽりと紅葉見物なんていうのもいい。
そもそも、兼六園以外には、誰もが知っている紅葉名所と呼べるような場所も少ないかもしれない。

ここでは、2019年、「金沢の紅葉見るならココ!」というオススメの場所を、兼六園から金沢市民でもほとんど知らない穴場まで、ストック写真の中からピックアップ。

*2023年に一部の内容を改訂しています。

医王山 一足早く紅葉を楽しむならココ

富山県との県境にある県立自然公園。大自然が広がって、ここが金沢市というのもにわかに信じ難い。医王山ビジターセンターから大池や三蛇ヶ滝へ、ハイキングと紅葉狩りが楽しめる。紅葉は例年10月下旬〜11月上旬が見頃。

市民の憩いの場・卯辰山は紅葉も見事

金沢城から卯辰の方角にあるので卯辰山と呼ばれるようになった。江戸時代は防犯上の理由(諸説あり)からハゲ山だったが、今は鬱蒼と気が茂り、紅葉も見事。市街地の眺望と紅葉の両方が楽しめるのもいい。例年11月中旬〜下旬が見頃。

まちなかで美しい紅葉が見られる場所

金沢のまちなかでも美しい紅葉を楽しめるスポットがそこかしこにある。
紅葉の見頃は例年11月中旬〜下旬。アメリカ楓の並木のみ11月上旬

ちょっと郊外の知る人ぞ知る、穴場の紅葉名所

住宅街や郊外の山など、知る人ぞ知る紅葉名所を紹介。

王道の金沢城公園と兼六園の紅葉はやはり美しい!

金沢城公園と兼六園の紅葉は、一度と言わず、二度、三度と見たくなる美しさ。一日ずつ彩りが移ろう様子も楽しめるので、ぜひ、何度も足を運んで欲しい。見頃は11月中旬から下旬だが、金沢城の方が少し早い気がする。夜のライトアップも見逃せない。

以上、今年の紅葉狩りのお出かけの参考になれば嬉しい!

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
*取材・編集のご依頼はこちら
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【ライターの仕事】インタビュー承ります!

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【金沢観光】兼六園って、いつが一番おすすめ? 最低でも春夏秋冬、4回は訪ねて欲しい、季節によって全く表情が違う名園

金沢在住のフリーライター&カメラマンの若井です。

金沢で訪ねたい観光地というと、「ひがし茶屋街」や「金沢21世紀美術館」、「近江町市場」の人気が高いようです。この3カ所ももちろんいいですが、やはり金沢にいらしたらぜひ訪れていただきたいと思うのが「兼六園」です。

日本三名園のひとつで国の特別名勝でもあり、フランスのミシュランのガイドブックで三ツ星の評価をされている、まさしく日本を代表する観光名所。

その名前の通り、同時に実現することはできない6つの景観を兼ね備えている、いわば奇跡の庭園ともいえるのです。

「では、いつの季節が一番おすすめですか?」

そんな質問をよく受けますが、兼六園の魅力は四季それぞれに違います。なので、どの季節が一番いいとは言えないんですよね。

百聞は一見に如かず。その魅力を写真でお伝えしましょう。

冬 実は意外と見ることができない雪景色の兼六園

春 梅が咲き始める早春、桜が咲くころ、そして遅咲きの菊桜やツツジが咲く晩春

夏 カキツバタが咲く初夏、木陰の水辺が気持ちいい盛夏

秋 空気が澄みすがすがしい初秋の早朝、一日ごとに表情を変える紅葉のころ

いかがでしたか。オリジナル作品でまとめましたので、見たことのない写真も多かったことと思います。
駆け足観光で徽軫灯籠だけ見て満足せず、ぜひじっくりと兼六園の隅々まで眺め、そしてまた違う季節にも訪ねてください。

ちなみに、フラッと個人で自由にめぐるよりもディープに兼六園の魅力を知ることができる、ガイドと楽しむ兼六園もおすすめです。

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写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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【シリーズ日本海】 秋田県と石川県の意外な共通点

先日、お伝えした通り、日本海研究のレポートをしていこうと思います。

日本海側の文化を調べていたら、秋田県と私が住む石川県(一部は富山県)との意外な共通点をいくつか発見しました。

その1

秋田県は男鹿半島のなまはげといえば怖い顔した鬼が家々を回って、怠け者やいうことを聞かない子供を脅すというもの。これと同じ行事が能登半島に現存しています。「あまめはぎ」といいまして、「あまめ」とは「なまけタコ」のことで、体にできたそんなタコを剥ぎ取りに来るといいますから、想像しただけでも痛いです。昨年、どちらもユネスコの無形文化遺産「来訪神 仮面・仮装の神々」に登録されたことで話題になりましたね。

なお、同じく無形文化遺産に登録された山形県遊佐町のアマハゲをはじめ、新潟県のあまめはぎ、福井県のあっぽっしゃなど、酷似する行事が日本海側に多数見られます。このあたりも掘り下げたら面白いともいますが、その多くは過疎化により、実施が危惧されているような悲しい状況でもあります。

ちなみに、風物詩でもあるこれらの行事の様子は毎年、テレビでも紹介されますよね。日本海側が好きと言いつつも、このような行事がある地区で生まれなかったことを毎年安堵しながら眺めています。子供にとっちゃ、これは恐怖でしかないですもの。

その2

大豆から作られる醤油が広まる前、魚から作った魚醤油と言われるものが一般的でした。多くは廃れてしまいましたが、今も残る数少ない魚醤油が秋田県の「しょっつる」と石川県の「いしる」(「いしり」とも言う)です。秋田県の「しょっつる」は本来ハタハタが原料(「いしる」はイカやイワシ)でしたが、乱獲で数が激減して一時は全面禁漁となり、こうなごやアジ、イワシなどが代用されるようになったようです(現在は漁獲量が復活し、再びハタハタも使われている)。ちなみに石川県でもハタハタはたくさん水揚げされていますが、「いしる」の原料になるとは聞いたことがありません。

ちなみに、日本の魚醤にはほかに香川県の「いかなご醤油」が有名で、海外ではナンプラーやニョクマムが知られています。

その3

醤油ソフトクリームが名物。そもそも、ソフトクリームに醤油を入れるなんてセンス、正直ちょっと変だと思いませんか? そんな変わったものを名物にして売り出しているのが秋田県角館町と石川県金沢市(大野地区)なんです。今では全国各地にソフトクリームに醤油を混ぜたり、かけたりするソフトクリームはたくさんありますが、なかでも歴史があるのがこの2地区ではないか? 自分の調べたところではそんな風に思っています。気になるお味ですが、思いのほか美味しいと私は思います。キャラメル風の風味ですが、好き嫌いは分かれます。いずれにしても、こんな発想とそれを商品化して売り出す勇気、さらにそれを受け入れる味覚は、なんか見えない糸でつながっているとかしか思えません。

ちなみに、他にも「ここだけ」とか「元祖」を名乗るしょうゆソフトクリームはあり、上記はあくまでも自分の願望も含めた仮説に他ならないことも書き添えます。

その4

雪国の寒風にさらして乾燥させた保存用の餅作りが、冬の石川県や富山県では風物詩になっています。ひもで切り餅を暖簾のように連ねて縛ったものを軒先や屋内に吊るすものです。石川や富山では「かきもち」って言いますが、秋田県にも同じものがあり、「ほしもち」といいます。餅を寒風にさらして保存食にするものはよその県にもありますが、形状や製法が秋田県と石川・富山県のものとは酷似しています(山形県や青森県の一部にも同様なものがあります)。

その5

秋田県の名物としてかなり上位にランクされるのが稲庭うどんではないでしょうか? そうめんを作るように手延べで作られるうどんで、足で踏まない上品なうどんであることから献上品として昔から高級うどんとして知られていたそうです。普通のうどんとはまったく違うつるつるしこしこの食感とのど越しは、足踏みは別にしても高貴な味わいですね。

こんなうどんは他所にないと思っていたら、能登半島の付け根の富山県氷見市には「氷見のうどん」という、稲庭うどんと同じ製法のうどんがありました。厳密に食べ比べたわけではありませんが、稲庭うどんに勝るとも劣らない、そんな美味しいうどんです。

ちなみに、この氷見うどんのルーツが輪島素麺(昭和に入り途絶えたが最近復興)で、その輪島素麺は、奈良の三輪素麺がルーツとするほか、長崎の五島列島から伝わったという説もあります。五島列島には、稲庭うどんと讃岐うどんとともに日本三大うどんのひとつに数えられる五島うどんがあり、このうどんも実は稲庭うどんと同じく手延べうどんなのです。いずれも日本海を流れる対馬海流の流域であることは興味深いですね。

秋田県と石川県。北前船を出すまでもなく、同じ日本海側であり海路のつながりがあったことはもちろん、大陸との交流や地理的なこと(どっちも日本海に大きく突き出した半島がある)など、色々のことが考えられます。

まあ、こじ付けといえばそれまでかもしれませんが、新潟や山形、青森とはこのような類似はなさそうだし、何か不思議な縁を感じてしまいます。

ちなみに、秋田県といえば、これも以前お伝えしました通り、自分が人生で最初にひとり旅で訪れた場所で、異論もありますが、秋田県も石川県も美人が多いという共通項も書き添えておきますね。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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ズワイガニ漁が解禁となりました

11月6日は待ちに待った北陸地方でのズワイガニ漁解禁日。翌日には鮮魚店やスーパーの店頭に水揚げされたばかりのズワイガニが並びます。

11月7日、解禁で賑わう金沢の台所・近江町市場に行ってきました。

町の紅葉に負けないくらい、市場の通りは真っ赤に染まっていました。

市民の多くがねらうのはメスのズワイガニの香箱ガニ。
毎年この時期に初物を食べるのを楽しみしている人も多いといいます。
皆さん、手際よく品定めをしてバンバン買っています。

生きているのを買って家でゆでて食べるのが主流のようです。

ちなみに、オスのズワイガニは加能ガニと言って、水色のタグが付いています。
さらにちなみに、お隣の福井県では、メスはセイコガニ、オスは越前がにとなり、誇らしげに黄色いタグが付いて売られます。

メスのズワイガニの漁期は12月29日までと短く、新鮮なものを食べられるのはわずかな期間だけ。オスの方は来年の3月20日まで漁が続きます。

それにしても香箱ガニは、ここ数年で驚くくらい値段が上がりました。以前は1杯300円くらいで買えましたが、今では最低でも500円、ちょっと大きいものだと1000円以上します。
人気もさることながら、漁獲量が年々減っているために高騰しているようです。3年後には漁獲量はさらに半減するのではないかという予想もあって、さらなる規制を広い範囲でかけるなどして、真剣に資源保護をしていかないといけないですね。

ウナギにマグロに、そしてズワイガニまで、おいしいものが食べられなくなりつつあるのは悲しい限りですが、限りある資源のことをもっと考えることが大事だと思います。

さて、高くて2杯しか買えなかった香箱ガニは、金沢市観光協会のかなざわ自由時間というサイトの金沢で最高のズワイガニを買う&食べるに出ていた方法でさばいてみました。我ながらなかなかうまくできたのではないかと。

兼六園の雪吊り作業が始まり、ズワイガニ漁が解禁となると、いよいよ冬も間近といった感じですね。

若井憲/北陸ライター

【ライターの仕事】女子鉄応援マガジン『別冊山と溪谷 TRE TRIP』創刊号

インプレスグループで『旅と鉄道』を発行している天夢人から新雑誌が創刊。TRE TRIP=トレトリップと呼ぶそうです。

旅行が大好きで、日頃のストレスから解放される旅に出たいと思っている女性がターゲット。
鉄道旅行はしてみたいけど、あんまり詳しくないなという方にも分かりやすい、女子鉄初心者向けの案内も充実しています。

思いっきりオジサンの私も、女子の気分でちょっとだけお手伝いさせていただきました(笑)。

ちなみに知り合いの担当編集者に、「金沢で珍しいおすすめのおみやげない?」って聞かれて、うちの豆本の話をしたら、大いにうけて、ついでにのっけてもらっちゃいましたよ。

本日9月19日発売です!
お求めはお近くの書店か、下記のAmazonでどうぞ。
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【食文化コラム】食の方言 金沢うどん編

その土地では当たり前のもので、地元の人は全国区のことだと思っていても、実はその地域以外ではほとんど知られていないものがたくさんあります。

料理の場合、同じものでも地方地方で呼び名が違ったり、あるいは同じ呼び名でも出てくるものが全く違ったりすることもしばしば。少し前にブームとなったB級グルメもこの範疇で、これを「食の方言」とも言ったりします。

個性的な食文化が多い金沢では、あまり注目されていませんが、際立つ存在として、一風変わった「うどん」の呼び名があります。

刻んだ油揚げとネギをトッピングしたうどんを「いなりうどん」と呼びます。油揚げをのせたうどんといえば全国区では「きつねうどん」ですね。金沢でも店によっては刻んでいない油揚げをのせて出しますが、あくまでも「いなりうどん」と呼びます。

さらに刻んだ油揚げとネギをあんかけにしたものは「たぬきうどん」となります。

「たぬき」といえば、関東では天かすをトッピングしたうどん(関西でははいからうどん)を指しますよね。ちなみに、マルちゃんでは「たぬき」といえば天ぷらがのったそばです。

金沢人はもちろん、これが全国区だと思っていました。

でも、そもそも刻んだ油揚げとネギをトッピングしたうどんや、さらにそれをあんかけしたうどんなんて他で食べられているのか? 調べてみたら、面白いことに京都にも同じものがあることがわかりました。

ただし、京都では「いなりうどん」ではなく、「きつねうどん」(きざみきつねとも)と呼ぶそうです(「たぬきうどん」は金沢と同じ)。

なぜ、うどんに関して、これだけ京都と金沢が類似しているのか、興味深いですよね。

でも、旅先でこういったその土地でしか通じない、符牒のような料理名に出会うと、ちょっと嬉しくなります。このような文化も大切にしていきたいです。

写真と文若井 憲 Ken Wakai
フリーで編集・ライター・カメラマンを兼務。得意ジャンルは旅行と文化。金沢市在住で北陸地方なら、得意ジャンル以外も実績は多岐にわたる。撮影ができるのも強み
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